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「求む!インテルの社長」とAppleの日本投資

求む!社長

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Intelの日本法人インテル株式会社が代表取締役社長を募集している。

 

pc.watch.impress.co.jp

インテルのような大手外資系企業が社長を募集するのは異例だ。外資系企業の日本法人の社長が辞める場合、成績不振で実質解雇、または社長の転職による事が多い。

成績不振であれば、後継の社長を社内か社外で予め選出しておき、社長退任と同時に新社長を発表する。

インテル日本法人の事情

現在のインテル日本法人は、江田前社長が3月末に退任してからEMEA(ヨーロッパ・中東・アフリカ地域)担当だった者が暫定的に社長を務めている。

江田前社長が別企業に転職したニュースは聞こえてこないので、体調によるのか社内事情かはわからないが、背景としてインテル日本法人の地位低下があると思われる。

江田さんが社長に就任した2013年前後までは、インテル日本法人が独立したリージョンだった。

リージョンというのは、世界をいくつかの地域に分割して統括する外資系の仕組みで、多くの企業がアメリカ、アジア、ヨーロッパなどの地域にわけて世界市場をマネジメントしている。リージョンのトップは企業内で大きな発言権をもち、その地域の特色に合った製品を開発しやすい。

以前は有力な成長市場だった日本はアジアと分かれて独立したリージョンとしていた企業が多かったが、日本市場の地位低下にともない、日本をアジアと統合するケースが目立つ。

インテルは数少ない日本独自のリージョンをもっていたカンパニーだったのだが、やはりアジアに統合されてしまった。

さらに2017年には研究開発を行っていたつくば本社を東京本社と統合した。

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閉鎖する前、つくば本社で行っていた研究開発の多くをすでに海外へ移管しており、つくば本社はサプライヤーとの連携を行っていたようだが、日本の半導体部門の衰退で日本に施設を置く意義がなくなっていた。

今回後継社長が決まらないのも、Intel社内で日本法人の地位低下があると思われる。成長市場であれば、海外からすぐに社長が就任したはずである。成長市場であれば好成績を収め、いずれ本社に戻った時に出世が望める。

インテル日本法人の歴代社長が日本人だったので、日本人を選びたいが、国内に該当者がいなかったのかもしれない。

対照的なAppleの日本投資

多くの外資系企業が日本にリージョンをもたない中、対照的なのがAppleだ。Appjeは今でもJapanを別リージョンとしている。研究開発施設を横浜に開設したのも、つくば本社を閉鎖したインテルと真逆だ。

iphone-mania.jp

日本のスマートフォン市場で大きなシェアを握るAppleが日本を重要視するのは理解できる。横浜の研究施設でAppleが何を行っているか謎だが、近年のAppleは自社でチップを開発し、iPhoneなどの自社製品に搭載することで、半導体業界で一定の地位を確保している。

一方、インテルはスマートフォンの隆盛で半導体市場の地位が低下し、IoT、データデンター事業に注力している。B2Bで全世界に統一したビジネスを展開するために、日本法人を拡大する必要はない。

インテルの社長募集から、そんなインテルの事情と半導体業界の変遷が見て取れる。

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