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サイバーエージェントは日本将棋連盟を「買収」すべき

好調なサイバーエージェントの決算、赤字続きのAbema TV

最近のサイバーエージェント社の決算は、会社全体の売上よりもAbema TVの赤字の大きさが報道されることが多い。それだけAbema TVが目立つ存在ということだろう。

Abema TVの総視聴時間は伸びているが、ここに来て鈍化しているようにも見える。旧SMAPメンバーの特番などの爆発的なコンテンツが不足している影響だが、今のAbema TVは起爆剤的なコンテンツより視聴習慣がつくような息の長いコンテンツを目指しているので、その方針が数字に現れている。

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よく話題に上がる営業利益はメディア事業としては49億円の赤字。藤田社長曰く、「先行投資」という位置づけだそうなので、問題視していないようだ。

Abema TVをマスメディアにするのが藤田社長の目的なので、これぐらいの投資は必要だろう(テレビと比較すればコンテンツや設備への投資額は、はるかに小さいが)。

 

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「ながら視聴」環境は改善

たしかに若年層を中心にいわゆる「テレビ離れ」を起こしており、ネットで動画を視聴するのが習慣化してきている。

YouTubeのようにユーザーが能動的に選択して視聴するのではなく、「ながら視聴」のニーズはあると思う。人は自分で主体的に選びたいときもあれば、人が良いというコンテンツをだらだらと観たいときもある。

 以前の記事では、もっと簡単に視聴できればユーザーが増えると提案したが、Android TV、Fire TV、Apple TVなどにも対応し、アプリの使い勝手も改善されてきて、以前より気軽に視聴できる環境が整ってきた。

tkan1111.hatenablog.com

どこで儲けるか?

大きな課題はマネタイズだ。上記のグラフのとおり、売上は徐々に増えてきているが、そのほとんどは広告費と思われる(一部有料会員もあり)。つまり現状のテレビ放映と同じ、番組の間に広告を挿入するモデルだ。

テレビに取って代わろうとしているのだからCMで稼ぐのは当然の考えなのだが、それでは送信手段が地上波からネットに変わっただけで、本質的な部分は何も変わらない。現状のキー局が広告収入では立ち行かなくなってきているのも承知のとおり。例えばフジテレビでは、直近の四半期で放送事業がマイナス21%減。既存マスメディアからAbema TVが奪おうとしている領土は、すでにイナゴに食べつくされているのだ。

サイバーエージェントもこの課題を認識しており、収益の多角化を事業方針にあげている。

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日本将棋連盟を買収せよ

ここで注目は「M&A」だ。昨年株式譲渡によりプロレス団体「DDT」がサイバーエージェントグループ入りした。コンテンツを強化するだけではなく、将来的なマネタイズを視野に入れているのだろう。Abema TVで取り上げることでプロレス人気を盛り上げ、リングにお客様を呼び寄せる相乗効果を想定していると思われる。

そこで提案するのは、日本将棋連盟の「買収」だ。日本将棋連盟は公益社団法人なので、株式買収はできないが、サイバーエージェントグループに取り込むことで更なるマネタイズが可能だ。日本将棋連盟は高い知名度の割に、収入は約25億円と中小企業程度の規模だ。

Abema TVの視聴数ランキングでは、将棋が上位を占めることが多い(将棋の中継が長時間に及ぶのも影響はしている。Abema TVの視聴数は放送時間に何人が視聴したかをトラックしているので、放送時間の長い番組は視聴数が多くカウントされる)。

将棋を優良コンテンツに仕立てたのはニコニコ動画だが、今の勢いならAbema TVのが上だ。

まあ、日本将棋連盟の主要なタイトル戦は、Abema TVのライバルであるテレビ局をもつ新聞社が主催しているので実現は困難だろうが、それぐらい新しい発想で取り組まないと、更なるマネタイズは難しいと思われる。

Abema TVがマスメディア化して、そこに繋げるのが広告だけではなく、様々なエンターティメントビジネスを結びつける軸となれば面白いことになると思う。

www.kantakayama.com