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Amazon Dash Buttonはヤバくはないが、役には立つ

日本でも開始された『Amazon Dash Button』を2つ注文した。スマホやPCを使わなくてもボタンひとつで日用品が注文できるAmazon Dashは、常時iPhoneを握りしめている筆者には不要だと思ったが、実質無料(ボタンは500円するが一度注文すると500円割引される)なので、炭酸水2種類のボタンを注文した。

冷蔵庫に貼って機能を説明したら筆者よりもITの知識が乏しい妻は「便利だね」と好意的に受け止めていた。

 

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創業者ペゾスの言葉私はアマゾンを地球上で最も顧客中心の会社にして、多くの組織のロールモデルになりたいのとおり、Amazonは常に顧客のためを考えてきた会社だ。少しでも便利に買えて早く商品を届けるために様々なサービスを提供してきて、世界最大のイーコマース企業にAmazonは成長した。

創業時の方針は全く揺らいでいないが、近年のAmazonは実験的なサービスを試すようになった。「失敗を恐れない。試さないことを恐れろ」というAmazonの指針もあるだろうが、AWSの成功でファイナンス的にゆとりがでてきたのも大きい(AWSの売上は、はじめて北米Amazon.comの売上を超えた)。実店舗の書店『Amazon Books』レジを置かない『Amazon Go』、ドローン配送、1時間以内配送の『Amazon Prime Now』など、他の企業が手を出せないサービスを世に出している。

 

Amazonのサービスを目的別に分類すると、こうなる。 

早く届ける・・・Amazon Prime Now』、ドローン配送

便利に買える・・・Amazon Books』『Amazon Go』

 

これだけ様々なサービスを提供しても、まだAmazonが制覇していない領域が食料品と日用品だ。Amazonは販売全てを牛耳っているように見えるが、もっとも強いのは書籍・DVD、ITガジェットなどの消費財だ。

一般家庭の支出のうち食料品が占める割合は25%、日用品は15%ある。Amazonが得意な書籍やDVDが含まれる教養は10%以下だ。

Amazonも食料品・日用品を扱っているが、ライバルにまだ勝てないのは配送がネックだからだ。単価が低い食料品・日用品を通販で購入すれば配送費が割高になる。生鮮食品であれば鮮度の課題もある(将来的には『Amazon Prime Now』が解消するかもしれないが)。

他にも、食料品・日用品を詰めてひと箱あたり290円で配送してくれる『Amazonパントリー』を用意して配送費の負担軽減を試みている。

Amazonパントリー

 だが、配送費がゼロ円の強力なライバルがいる。”近所のお店”だ。ドラッグストア・コンビニ、スーパーマーケットは街中いたるところにある。欲しい時、通勤通学途中にふらっと寄って買うことができる。

ネットとスマホがなくては一日も生きていけない筆者のような人間はリアル店舗よりネットで注文したほうが便利だと思うが、簡単に店舗とリアルな商品へリーチできるのは、妻のような一般顧客には近所の店のほうがまだまだ”便利”なのだ。

 

Amazon Dashの試みは、この食料品・日用品を店舗で買う層をターゲットにしている。選択ができずに不便に思えるが、自宅でボタンを押せば買える仕組みは、極限まで”便利”に買える”を追求している。スマホを立ち上げてトイレットペーパーを買うのは億劫で近所のスーパーに出かけて買う顧客をネットに引き込むために、Amazon Dashはこのボタンを無料で配っているのだ。

 

こうやって見てみるとわかるとおりAmazon DashによってAmazonの戦略が変わったわけではない。’楽に買える”というAamazonのテーゼを追求したサービスだということがわかる。広告で人を引き寄せて買わせる旧来の販売戦略ではなく、顧客がダイレクトかつスムーズに商品を選択・購入できる仕組みを作るAmazonの戦略そのまのだ。販路を抑えて広告を取るのが目的ではなく、広告を死滅させるのがAmazonの目的だ。

街中に店舗がひしめく日本で、Amazon Dashが定着するかは興味深い。ただ、Amazonからみれば、たとえ定着しなくても、また別の”便利に買える”サービスを考案するだけだろう。Amazonの方針が変わることは当面なさそうだ。

 

ウィルキンソン Dash Button

ウィルキンソン Dash Button

 

 

サントリー天然水 Dash Button

サントリー天然水 Dash Button