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AirPodsはAmazon Echoに対するAppleの回答

年末にやっと販売開始されたAirPodsを運良くすぐに入手できて、毎日使っている。落ちやすいじゃないかとネガティブな評判もあったが、使い始めてみると他のイヤホンに戻れないぐらい快適だ。ケーブルがないことで持ち運びしやすいし、使っていて落ちたことは一度もない。

AirPods with Charging Case

AirPods with Charging Case

 

 他のBluetoothイヤホンと比較して音質も悪くない。電波状態の影響なのか、ごくたまに音声が遅延する場合があるが、頻度は少なく利用するのに大きな影響はない。初期セットアップの簡単さ(iPhoneで使用するならほとんど何もする必要がない)、同一iCloudアカウントの機器なら設定が共有されるのも評判通り。

ユニークなのは充電ボックスの蓋を開けたときに同一iCloudアカウントの機器すべてと接続した状態になることだ。iPhoneでもMacでもAirPodsの充電状態を同時に確認できる。音声が出力されるのは最後に接続した(音声を発した)機器だけなので、iPhoneで使用したあとにMacで使用するためにはボリュームかBluetoothのタスクアイコンで変更する必要はある。同時に複数の端末から音がでても困るので、これは妥当な仕様だ。

 

使っていて一番違和感があるのはスイッチが一切ないことだ。耳から外せば自動的に音が止まるのは便利だが、それ以外の動作は全てSiriにお願いする必要がある(設定によりSiriの起動ではなく再生/停止に変更はできる)。ボリュームを少しあげたいときもSiriにお願いしなければならない。

イヤホンをダブルタップしてSiriを起動する仕様なのだが、指の感覚だけでタップしないといけないので思うように起動しない(成功率は5割ぐらい)。イヤホンにマイクがついているとは言え、音声をSiriが認識しない場合も多い(屋外だと成功率は3割ぐらい)。

少なくてもボリュームの調整と曲送りぐらいは簡単にボタンで行いたい。Apple Watchの操作が便利という記事も見るが、冬場は上着をめくってApple Watchを使える状態にするのが面倒で、それならiPhoneを取り出したほうが早い。

 

極力ボタンを減らしたい(AirPods本体にボタンはゼロ!)Appleのミニマリズムの結果ともとれるが、これはAmazon Echoに対抗するためだと考える。

日本では展開されていないので日本人には馴染みがないが、USではクリスマスシーズンにAmazon Echoが良く売れたそうだ。Amazon Echoは音声コマンドで様々な動作ができる人工知能スピーカーだ。音声でミュージックがかけられ、天気などを調べてもらうことができる。スピーカーなのでリビングなどに人が集まる場所に設置して利用するのを想定している。

Appleは、音声デバイスはもっとパーソナルなものでAmazon Echoのような複数人のための用途を否定している。確かに調べた内容や自分の予定などを他人に聞かせる必要はないし、聞かれたくない。リビングに設置されるApple TVにSiriは搭載されているが機能は限定されている。あくまでも調べ物はiPhoneのようなパーソナルデバイスで行うべきというのがAppleの考えだ。

とは言え、iPhoneでもSiriの回答は内蔵スピーカーで発せられるので、Amazon Echoほどではないが他の人に聞かれる可能性はある。

 

そこでAirPodsの登場だ。AirPodsがAppleの新製品の割に比較的安価なのも(おかげで品切れだが)普及を促進したいAppleの思惑が透けて見える。

あらゆるデバイスが多機能・複雑化する中で、シンプルな操作性・デザインを維持するために音声コマンドを一般化させるために外部に聞こえないAirPodsの存在が活きてくる。

 

とは言っても、左右イヤホンをタップするコマンドを個別に選択できたら便利だとは思うが。。。