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自分の小説が本屋に並ぶという中学生からの夢がようやく実現します! 興味がある方は書店で予約してみてくださいませ。

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藤井六段をつくったのはAIではない

藤井六段の強さ

ここ数ヶ月、棋士藤井聡太さんのおかげで将棋界が活況を呈している。羽生竜王の衛生七冠獲得と国民栄誉賞受賞もビッグニュースなのだが、朝日杯将棋トーナメントの準決勝での対戦の舞台設定みたいになってしまった。

 最年少中学生棋士であり、最多連勝、一般棋士戦での最年少優勝と、藤井六段の実績は、過去のどの棋士をも超越している。

集中力、体力、一瞬の判断力が必要な棋士は20代がピークな場合が多いが、経験と経験に費やす時間も重要なので、中学生が一流棋士と対等に戦うのは極めて難しい。

ところが、藤井六段は一流棋士を倒し、現在14連勝中。

 この「規格外」の藤井六段の快進撃をAI将棋のおかげと考えている人がいる。自分も将棋にそれほど詳しいわけではないが、その言説は間違いだと思う。

巷で言われていることを検証してみよう。 

AI将棋で研究しているから、藤井六段は強い

藤井六段も、二年ぐらい前から(中1?)PCを使って研究・対戦を行っていると言っているので間違いではないが、AI将棋での研究は、今ではほぼ全棋士が行っている。藤井六段の専売特許ではない。

学業との両立で少ない時間で効果的に研究できたり、地方にいながら他の棋士と対戦できるメリットはあるが、小学生の奨励会の棋士でも行っていることだ。 

いつか藤井六段はAI将棋に勝てる?

これは本人が明確に否定している。すでにAI将棋は人間が叶う相手ではない。ウサイン・ボルトがバイクと速度を競っても意味ないのと同じだ。 

AI将棋の棋譜を暗記しているから藤井六段は強い?

一昨年の将棋ソフト不正疑惑以降、AI将棋の手筋を覚えれば強くなれると言われたり、従来では思いつかないような奇手が出るとAI将棋の影響だと言う人がいる。

たしかにAI将棋を使って研究しているのだから、AI将棋と同様の手筋を実戦で披露することはあるだろうが、将棋はそんなに単純な競技ではない。

チェスや囲碁と異なり、獲得した駒をもう一度使える将棋は終盤になっても選択肢が減らず、無限に近い手筋がある。棋譜のパターンは全宇宙の電子の数を超える。チェスと囲碁は構造的に終盤では選択肢が限られてくる。

当たり前だがAI将棋の手筋をすべて暗記するなんて不可能だ。

どうして藤井六段の棋力だけが突出しているのか?

以上、見てきたように藤井六段の強さはAI将棋が主因ではない。ほぼすべての棋士がAI将棋で研究している。AI将棋を使って効率的に研究を進められるので、従来よりも早く中学生棋士と一般棋士の差が縮まることはあっても、それは他の若手棋士にも言えることだ。

藤井六段の強さは知力に加えて、並外れた集中力と負けず嫌いによると思われる。すべての棋士が負けず嫌いではあるが、幼少時に敗北し泣き止まなかった姿を見ると相当なもののように思える。

羽生竜王が登場してから30年。30年に一度、「天才」棋士が現れる確率は、非常に興味深い。

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4K8Kよりも大事なこと

Samsungの変革

Samsung(サムスン)といえば、今や世界最大のIT企業の一つであり、その特徴は半導体から家電まで様々な製品を開発していることだ。

以前は、Appleなどの後追い製品が多かったが、近年では斬新な製品も発表している。

 今回発表されたテレビも非常に意欲的なものだ。

www.gizmodo.jp

根本的な進化がないテレビ

この記事にあるように、現代のテレビで面倒で美しくないものは、こんなところだ。

  • 消灯時の黒い画面
  • 必ず絡まるケーブル
  • かっこいいものを見つけようと思うと何時間もネットを検索するはめになるスタンド

筆者は「たくさんのボタン並ぶ醜悪なリモコン」を追加したい。

黒い画面は無粋

大抵の日本の家屋は白い壁なので、どんなにフレームが細くなっても、消灯時の漆黒の画面は、どう形容してもバランスが悪い。大画面になればなるほど、黒い面積も大きくなり、どんなに部屋を白やパステルカラーでコーディネートしても、台無しにしてくれる。

今回サムスンの発表したテレビは、撮影した部屋の壁をテレビに投影する機能を装備している。壁掛けテレビなら白い壁に同化させることもできる。

このモードでも通常時の50%程度の電力を消費するのが現状の課題だ。

真のスマートテレビ

ただ、テレビをつけっぱなしにすることで、すぐに情報を表示することができる。スマートスピーカー機能をもたせれば、検索した情報を耳だけではなく目にも届けることができる。大昔から各社がしのぎを削っているホームコンピューターシステムを牛耳ることもできる。

 今回の製品では、文字どおりケーブルも一本化できるようだ。部屋の工事は必要だが、軽量薄型になり壁掛けも難しくなくなってきた。

スマートスピーカーが更に精度を上げればリモコンを手に握る機会も減るだろう。

高画質化よりも大事なこと

4K、8Kなどの高画質も、没入感を高めるために大事だが、テレビ自体の見た目もQOLに大きく影響する。

サムスンが気づいた差別化要因を他社もぜひ追随していってほしい。

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オールレンジ攻撃を行うApple

シェア拡大に走るApple

Appleが低価格の製品ラインナップを予定している報道がある。

japanese.engadget.com

既報のMacBook AirとiPhone SEだけではなく、HomePodの低価格版も予定しているとのこと。

報道が事実なら、本コラムで指摘したように、売上拡大のためにAppleがシェア拡大に舵を切ったことになる。 

tkan1111.hatenablog.com

iPhoneから流れてくる最新技術

一方でハイエンドモデルの「Pro」機には最新技術を投入し、価格を維持する戦略に変更はないようだ。

japanese.engadget.com

全方向に攻めるApple

ローエンドモデルとハイエンドモデルの両方に拡大するApple。ティム・クックCEOが懸念する品質改善と両立できるか注目だ。6月のWWDCでAppleの回答が見られるだろう。

www.kantakayama.com

笑いだしたAlexaの先にあるのは笑顔なのか

笑い出すAlexa

Alexaが突然笑い出す不具合が報告されている。

nlab.itmedia.co.jp

日本では報告がないようだが、Amazonも認めているので、英語版では実際に起きるようだ。

笑いだしはしないけど、筆者のAmazon Echoも話しかけていないのに、「すいません、言っていることがわかりません」などと勝手に話し始めることがある。Google homeでも起きるので、テレビや会話中の単語をウェイクワードと誤認識することがあるのだろう。

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常に聞かれている

スマートスピーカーの危険性としてよく指摘されるのが、マイクが常にオンであること。テレビの音、家族の会話をすべてスマートスピーカーは聞いていて、その中にウェイクワードが含まれていないかチェックしている。

スマートスピーカー自体が音声認識しているわけではなく、すべての音声をクラウドサービスに送信して、サーバー上でユーザーの音声を認識している。われわれのすべての会話がクラウド上に送られているのだ。

もちろん、各スマートスピーカーメーカーは、「プライバシーを保護していて人間は誰も聴くことができない」と言うし、「iPhoneだっておなじことをしているし、メールやチャットの会話情報がクラウド上にあるのに、いまさら何を言っているんだい?」と呆れるだろう。

ただ、メールやチャットの文字情報と異なり、音声というのはフィジカルな、よりプライベートな情報である。

勝手に情報がプッシュされる

今回の「Alexaの笑い声」はウェイクワードを誤認識したのではなく、Alexaから情報をプッシュ送信する機能が誤って作動したようだ。

日本版Alexaも、すでに通知機能を実装しており、Alexaから情報をプッシュしてくれる。今は人間が能動的に確認する必要があるが、Amazonが好きなときに好きな情報(例えばCM)を流すことも可能だろう。

robotstart.info

「今更何を言っているんだ、スマホには毎日たくさんの通知が届いているだろう」とメーカーは言うだろうけど。 

その先にあるもの

スマートスピーカーの先にあるのは、なんだろう。各メーカーは、カメラを実装することを考えているに違いない。カメラで常時室内を撮影していれば、誰が話しているのか、ユーザーが何をしているのか、何をしてほしいのかわかるだろう。音声で命令しなくても、スマートスピーカー(スマートカメラ?)がユーザーが知りたいことを能動的に囁いてくれるかもしれない。

たとえば、ユーザーが着替え始めたら、デバイスが「昼から雨が降ります。傘を持っていきましょう」と教えることもできる。

それは確かに便利な未来だ。だけど、そのかわりに風呂上がりの我々の姿がAmazonのクラウドサーバー上に蓄積されることになる。

それでもAmazonは、「いまでも毎日カメラの前に座っているし、たくさんのあられもない姿の写真や動画をクラウド上に平気でアップしているじゃないか」と言うだろうけど。 

Google ga00216-usホームMiniチャコール

Google ga00216-usホームMiniチャコール

  

アレちゃんとグーちゃん(Amazon Echo DotとGoogle home mini二台持ちの使いみち)

2台のeRemote mini

2台目のeRemote miniが届いたので、寝室にセットアップした。

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今まではリビングにAmazon Echo Dot(以下、Alexa)とGoogle home mini(以下、Google home)を設置していたが、リビングをGoogle homeだけにして、Alexaは寝室へ移動させた。

ちなみに我が家では、Alexaを「アレちゃん」、Google homeを「グーちゃん」と呼んでいる。「Alexa」がウェイクワードになっているので、会話の中で使うとAlexaが反応してしまうからだ。

リビング担当Google home

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Google homeは、リビングのeRemoteと連動し、テレビ、エアコン、照明を音声でコントロールする。Google homeの方が、音声認識と質問解答能力に優れているので、頻繁に使うリビングに抜擢した。

eRemoteは、「照明」しかスマートスピーカーで操作できないが、「NHK」など放送局の番号を「照明」として登録することで、「OK、Google、NHKをつけて」と言えば、テレビを音声で操作できる。

寝室担当Alexa

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Alexaは寝室で照明の操作を司る。ベッドで本を読んでいて、就寝時に照明を消すのに今まではリモコンを天井に向けていたが、AlexaとeRemoteのコンビで、「Alexa、電気を消して」でOKになった。

それ以外にも、朝起きたらベッドにいながら天気やニュースを確かめることができる。目覚ましにもなるが、祭日のときの修正が面倒なので、従来通りiPhoneのアラームを使用している。

どうせなら同一機種で

寝室で活動している時間は短いので、Alexaの出番は少ないが、この環境に満足している。あとはGoogle homeの無料ミュージックサービスが、Amazon Music並に充実してくれれば言うことないが、Google Musicなど有料サービスに加入すればすむ話でもある。もっともGoogle home miniのスピーカーは音楽を聴くのに適しているとは言い難いが。

当たり前だが、AlexaとGoogle homeが連携することはない。

昨日、複数のAlexaが連動するサービスが発表になったが、当然この機能をつかうことはできない。狭い日本の家屋において複数の部屋で同じ音楽を流すシチュエーションがどれだけあるか疑問だが(ホームパーティー?)。

www.itmedia.co.jp

将来的に複数のAlexa機器で連動する機能が拡充されると考えられるので(Google homeでも)、異なる機器を比較して楽しむ趣味がなければ、どちらかの機器を揃えたほうが良いかもしれない。

Google ga00216-usホームMiniチャコール

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一家で「画面見ないDay」をやってみた

画面見ないDay

スマホばかりいじっている両親に業を煮やした娘が、「画面見ないDay」を提案してきた。スマホだけではなく、PC、テレビ、ゲームなど、あらゆる画面を見ない日を作るというもの。

自分も大好きなアニメが見られないのに言い出させてしまったのは、親として申し訳ないので一日やってみることにした。

案外いける

昼間は親子で外出して、夕方は届いた本棚を作っていたこともあるが、寝るまでの間スマホもテレビも使わなかったが、大きな問題はなかった。

着信した電話とメールだけは応じてよいことにしたので、外部とのコミュニケーションも問題なかった。

他に一日やってみて気づいたことを書いておく。

スマートスピーカー大活躍

画面を見ないことにしたが、ガジェットを使ってはいけないとはしなかった。スマホが使えないと一番困るのが調べ物。ちょっとした疑問が浮かんだときに解決できないのはイライラする(スマホ以前は当たり前だったのだが)。

そこで、スマートスピーカーに質問して回答を得た。Amazon Echoはあまり役に立たなかったが、Google homeはかなり優秀。「こんな説明が見つかりました」と言って、Web検索と同様の回答をしてくれる。

娘は「なぞなぞをだして」とGoogle homeに何度もお願いしていた。

音楽を聴くようになる

我が家ではリビングで音楽を聴く習慣がないのだが、テレビを見ないと静かすぎるので、音楽を流すことにした。ここではAmazon Echoが活躍。Amazon Musicで「ヒット曲を聴かせて」などとお願いすれば、簡単に音楽が聴ける。Amazon Echo Dotのスピーカーはそこそこ優秀で、ざっくり聴くには問題ない。

ちなみにGoogle Home miniのスピーカーで音楽を聴く気には、ちょっとなれない。

翌日になると。。。

一日画面を見なくても、ほとんど困ることはなかった。紙の本を用意したり、DIYの準備をしておくなど事前準備をしておけば暇になることもない。毎日スマホを見て得た情報は実際に役に立っているかどうか大いに疑問だ。情報とは目的があって自ら取得するもので、受け身で情報を得ていては活用できず、無駄に時間を遣うだけだ。

ただ、翌日になると、またスマホとPCを使う日々に逆戻り。「画面見ないDay」の前後で、使用頻度はまったく変わっていないのは、これからの課題だろう。

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Apple Watchとフルマラソンを走ってみた

初めてのフルマラソン

先日、人生初めてのフルマラソンを完走した。ぶっつけ本番で挑戦したわけではなく、Apple Watchと一緒に毎日ランニングして脚力を鍛えた成果だ(タイムはひどかったけど)。Apple Watchを使ってフルマラソンを走れるか、走るならどうすればよいか紹介します。

<追記:2018/09/15>

Apple Watch 4のおすすめの組み合わせは、こちら

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Apple Watchでフルマラソンを走れるか?

結論から言うと「走れる」。ただし、iPhoneを携帯する条件付きだ。

もっとも多くの方が気になるのは、「Apple Watchのバッテリーが保つのか?」だろう。

筆者がフルマラソンを完走したときApple Watchのバッテリーは50%以上残っていた。

Appleの公式サイトには、一日のバッテリー駆動時間は最大18時間とある。18時間あればフルマラソンは余裕で完走できるが、この「18時間」は、iPhoneを携帯する条件付きの駆動時間だ。GPSを使用した屋外ワークアウトの駆動時間は最大5時間。

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5時間だと、マラソン前後の時間を考慮すると心もとない。何しろバッテリーが切れてしまうのは、ランナーとして絶対避けたい。

安心して、Apple Watchをつかってフルマラソンを走るには、iPhoneの携帯が必須だ。後述するが、筆者は、iPhone、Apple Watch、AirPods、AirPodsケースを携帯してフルマラソンを完走した。AirPodsもiPhoneと接続しているので、Apple Watchのバッテリーの消費は最小限に抑えられた。

普段のランニング環境

  • Apple WatchとAirPodsを装着

以前はiPhoneをポーチに入れて走っていた。Apple Watchも装着していたが、通信できないので、どこにいても連絡が取れるようにiPhoneも持って走らなければならなかった。

LTE通信が可能なApple Watch series 3入手後は、iPhoneを自宅に置いて、AirPodsをApple Watchに接続して音楽を聞きながら走るようになった。Apple Watchはseries 2からGPSを搭載しているので、Apple Watch単体でも走行距離の記録も可能だ。

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フルマラソン本番の装備

  • iPhone、Apple Watch、AirPods、AirPodsケースを携行

フルマラソン本番は、Apple WatchだけではなくiPhoneをポーチに入れて走った。スタート前の時間を含めると5時間以上は、音楽を聞きながらGPS計測を行いつづけることになる。すべての作業をApple Watchで行うと、Watchのバッテリーが保たなくなるのを懸念した。

iPhoneをAirPodsに接続して音楽を聴きながら、iPhoneは『NIKE+ RUN CLUB』で記録を取り、Apple Watchは標準アプリ『ワークアウト』を使った。

この設定で完走した時のApple Watchのバッテリーは45%。フルマラソンで使用しても、Apple Watchのバッテリーは十分保つ(Apple Watchで音楽を鳴らしたときはわからないが、Bluetoothで音楽を鳴らした時の消費電力は低めなので多分大丈夫)。

普段のランはNIKE+で

ランナーは走行記録をとりたがるもので、筆者は日々のランニングはApple Watchの『NIKE+ RUN CLUB』アプリ(以下 NIKE+)を使って記録している。

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NIKE+は、継続して走ることでバッチがもらえたり、走行距離によってステージが変わったりと走り続けるモチベーションを維持するのに優れたアプリだ。ランニングする上で重要な経過タイムの音声ガイダンスも聞きとりやすく、信号などで立ち止まると計測を自動停止するオートポーズ機能の精度も高い(筆者の感覚では標準アプリ『ワークアウト』よりも優れている)。

唯一の課題は、1キロ単位のペースがわからないこと。ランニング全体のペースと現在のペースはわかるのだが、フルマラソンだと一定のペースで走れているかどうかが重要になるので、直近1キロのペースを確かめたくなる。 

他にもApple Watchのランニングアプリはいくつかある。

実際に試して比較した記事がこちら。

フルマラソンで使うアプリは?

そこで、フルマラソン当日はiPhoneでNIKE+アプリを起動し、Apple Watchは標準のワークアウトを起動させることにした。

Apple Watch標準のワークアウトは、音声ガイダンスはないが1キロごとにペースを表示し、振動で伝えてくれる。音声ガイダンスと音楽はiPhoneに接続したAirPodsから流す。

この試みは成功した。1キロごとのペースをApple Watchが表示してくれて、5キロごとのタイムはNIKE+が音声で教えてくれる。一定のペースで走れているかどうか細かく確認できる。

AirPodsのバッテリーはゴールまで保たなかったが、途中でケースに入れて充電すれば、30分ぐらいでまた使用できるようになり、そのままゴールできた。AirPodsのケースは小さいので携帯しても問題ない。

<追記:2018/09/28>

watchOS 5で純正アプリ「ワークアウト」が進化しました。

Apple Watchはフルマラソンで使える

実際走ってみて、ガーミンなどのランニングウォッチでなくても、Apple Watchをつかってフルマラソンを走っても全く問題はない。多くの人が懸念するバッテリーは問題にならない。Appleの公称バッテリー時間は18時間。どんなに遅く走っても大丈夫。

起動するアプリに悩むが、iPhoneでNike+、Apple Watchでワークアウトを起動すれば自分のランを詳細にチェックできる。

AirPodsを使う場合は、フルマラソンにかかる時間だとバッテリーが保たないのでAirPodsのケースを持っていこう。

Apple Watchとフルマラソンを走るためのまとめ

  • iPhoneとApple Wartch両方を携帯
  • Apple Watchのバッテリーは保つ
  • AirPodsのバッテリーは保たないのでケースも携行する
  • iPhoneの『NIKE+ RUN CLUB』アプリを使用。AirPodsと接続して音楽と5キロごとのタイムを流す
  • Apple Watchの標準アプリ『ワークアウト』を使用。1キロ毎のペースを確認

 

新型MacBook Airが広げるAppleの空

Macbook Airの新型モデル発売の情報が流れている。

www.itmedia.co.jp

MacBook AirはMacBookシリーズの最廉価版として、エントリー層や大学生に人気を博しているが、近年はモデルチェンジも遅れ気味で、当初MacBook Airの代名詞だった薄型モデルのポジションはMacBookが占めている。

新型iPadやAirPodsの情報も流れており、WWDCに向けて新製品発表の期待が高まるが、MacBook Airが存続するのは筆者には意外だった。

従来のAppleの戦略

古くはiPod Classicのようにモデルチェンジがない機種はいずれディスコンされるのがAppleのやり方で、近年ではMac miniとiPad mini、MacBook Airがその対象だと考えていた。

iPhone Xでもわかるとおりハイエンドの製品から高いマージンを得るのがAppleのビジネス戦略であり、アップデートに投資してまで廉価版を維持することは従来はしなかった(アップデートしない旧機種を廉価版で販売することはある)。

報道のとおり、MacBook Airをアップデートして、今よりも安い価格で提供するなら、Appleの方針が変わり、エントリー層も重要視するようになったことになる。

Surfaceの存在

方針を変更する一つの理由はMicrosoftのSurfaceだろう。Surfaceはエントリー層、特に大学生に浸透しており、Windows PCを使い始めるきっかけとなっている。もともとSurfaceはOSとハードを一体化した製品を作るAppleの手法をMicrosoftが真似して生まれた製品なのだが、圧倒的なWindowsのシェアを背景に売上を伸ばしている。

Appleとしては将来的にMacを使用するユーザーが減っていくのを恐れているに違いない。

規模の拡大を目指す? 

もうひとつの理由は、シェアを獲得し、総売上を伸ばす戦略を取る必要がでてきたことだ。最大の売上を誇るiPhoneの台数が伸び悩んできており、高価格帯のiPhone Xでも台数の停滞を補えないことが予想される。

今後もApple全体の売上を伸ばすためには、ハイエンドユーザーだけではなく廉価帯のユーザーも確保する必要がある。MacBook Airだけではなく、新型iPhone SEの噂もあり、Apple全体が規模を志向しはじめているのかもしれない。

気になるのは品質

安くて良い製品の登場は歓迎すべきことだが、心配なのは品質だ。以前のエントリーでも書いたように、最近のApple製品の品質は中途半端で販売計画に遅れも生じている。

製品ラインナップを廉価帯に広げることで、開発チームにはより負荷がかかることになる。

品質が落ちAppleブランドに傷がつくようなら、Appleのビジネス全体に支障をきたすことになるだろう。

 

自作PCの売上伸びる

伸びる自作PCの売上

自作PCのパーツの売上が伸びている。

pc.watch.impress.co.jp

 直近数ヶ月は前年比130%近く売り上げを伸ばしている。

新型CPUのCoffee Lakeの発売がひとつの要因だそうだが、PC全体の売上が伸び悩み、とくに個人向けPCはスマホやタブレットにシェアを奪われ、面倒な自作PCを行うマニアも減っている印象だったから、意外だ。 

誰がPCを作っている?

PCのレスポンスの良さが勝敗を分けるFPSやe-sportsユーザーがPCの性能アップを目指すために高価なPCパーツを購入しているのも理由だが、自作PCが趣味の一つとして確立したのも背景にある。

料理や登山などいろいろな趣味を極めてくると、かならず道具に凝りだす。数は多くなくても、どの分野にも高級な道具を欲しがる一定の需要がある。PCが登場して20年、PCもその領域に入ってきたのかと思う。

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「スマホ」の次は「イヤホ」

飽和状態のスマホ市場

スマートフォンの販売台数が初めて減少した。

jp.techcrunch.com

 ここ数年はレガシーフォンからスマートフォンへの買い替え需要が終わり、スマホの買い替える人の需要で台数を保っていたが、ここにきて買い替え需要も減少している。

新しいスマホに人々がお金を支払うだけの魅力を見いだせなくなっているのだ。今回発表されたGalaxy、Xperiaの新型をみても、もちろんカメラなどの性能は向上しているが、数年前のスマホから十万円近い金額を払って買い換える人がどれだけいるか疑問だ。

今のスマホは飽和したPCの末路と似ている。どの機種もOSは同じ(PCはWindows、スマホはAndroid)、使えるソフトウェアもほぼ同じ、デザインといっても四角く平たい板では差別化がPC以上に難しい。

VR/ARはスマホ市場の閉塞感を打破するものとして登場したが、ゲーム以外でVR/ARを日常にスマホで使っている人がどれだけいるだろう。 

次はイヤホ

スマートフォンの次は「スマートイヤホン」だと、筆者はわりと真剣に思っている。AirPodsのような完全ワイヤレスイヤホンが直接ネットワークに繋がり、様々な情報を音声で入手する。入力装置はマイクだ。

Google homeでもかなりの精度で音声認識ができるようなっているので、より発展すれば音声入力でも十分実用に足りる。

人前で話すのが恥ずかしいと思う人もいるだろうが、骨伝導マイクとノイズキャンセリング機能がより高度に進化すれば、他人に聞こえない声量で話しても認識できる。

4Gが5Gになり省電力化されればイヤホンのサイズでもバッテリーはかなり保つようになる。 

さよならメニューとキーボード

スマホからイヤホに移行するメリットは計り知れない。まず両手と視覚が自由になる。

大量の情報を一瞬で取得するのに視覚は効果的だが、歩きスマホの危険性が叫ばれているように視覚を制限するのは危険だし、他の業務を止めることになる。

もちろん視覚的に表示したいこともあるだろう。そのときはイヤホと連動したタブレット画面で参照すればよい。イヤホで生体認証ができればセキュリティ認証もイージーだ。

コンピューターを操作するのに人は長らくキーボードで使っている。キーボードは10本の指を使用できるため高速に入力できるが、両手が塞がってしまう。

スマホの時代になり、片手での操作もできるようになったが、イヤホになれば両手が解放される。

もうひとつメニュー選択をしなくてよいのも大きい。アプリを実行するのも、設定を変更するのも複数タップしてメニューを選択しなければならない。

音声入力では簡単に自然文で命令できるのでメニュー選択しなくてもよい。

たとえば、家電をスマホで操作するにはアプリを選択し、家電を選択し、機能を選択しなければならない。音声なら「テレビをつけて」だけでよい。  

イヤホへたどる道

イヤホの登場はそんなに遠い未来ではないと思う。

ソニーがGoogleアシスタント搭載ヘッドホンを発表した。スマートスピーカーで音声での入出力に、みんな慣れはじめている。5Gのテストも前倒しされる。

www.itmedia.co.jp

 いずれイヤホが流行ったときのために、最初に言い出した証拠としてこのブログを残しておく。 

Google ga00216-usホームMiniチャコール

Google ga00216-usホームMiniチャコール

  

完璧主義がAppleを殺す日

アメリカ、イギリス、オーストラリアの英語圏でHomePodが発売されて約一ヶ月が経過して、使用レビューが届きはじめてきた。

news.mynavi.jp

HomePodはワイヤレススピーカーである

どの評価も似たり寄ったりだ。

  • 音質はまあまあ(一部中音域の音が抜ける評価もあり)
  • Apple MusicなどAppleのサービスしか対応しない
  • 他のスマートスピーカーと比較してSiriの機能が限定的(Web検索は不可)

 Appleとしてはスマートスピーカーではなく、ワイヤレススピーカーとして売っているわけだから、この評価は納得できるものだろう。Appleのサービスを使ってもらい自社のエコシステムを確固たるものとしたいわけだから、今まで同様他社のサービスを受け入れないのも理にかなっている。

AirPodsと同様の簡単なセッティング、マイクを用いた自動で最適な出力を設定する機能、「ホーム」への対応など、Appleのこだわりは随所に感じられる。

ただ、そのこだわりがAppleの障害となりつつある。

Apple的完璧主義

Appleといえば創業者スティーブ・ジョブズの精神を受け継いた完璧主義で知られる。ジョブズは普段見ることのないPCの内部設計にまで美しさを求めた。

この完璧主義がAppleの強みとなり、すきのない美しいデザイン、統一された世界を構築することができた。

ところが、近年その完璧主義が弊害になっている。HomePodもAppleによれば数年前から研究開発していたのに他社のスマートスピーカーよりも大きく遅れた。発表していた2017年内の販売も延期して、書き入れ時のホリデーシーズンに間に合わなくなってしまった。

その他の製品でも、発表より半年経過してもAirPowerはまだ発売されない。

放置される製品群

他にもAirMac、Mac miniなどアップデートされず放置されている製品がたくさんある。

Appleの開発リソース不足が起因しているが、その根本原因となっているのがAppleの完璧主義だ。Macだけ、iPhoneだけを販売しているころはよかったが、今のAppleは世界最大の時価総額の企業であり、製品群も過去と比較にならない。広がりすぎた製品・サービスすべてをAppleの完璧主義を遂行しながら維持するのは不可能だ。

どこかでAppleは今の完璧主義を放棄するか、製品群の縮小を選択しなければならないだろう。そうしなければ、Roughly Rightで販売し、市場でのデータ収集に先んじるライバル企業に打ち負かされる日が来る。

もちろん、Appleの魔法で、すべての製品が美しく完璧に開発して披露してくれれば、我々にとってはこの上なく素晴らしいことなのだが。

Apple AirPods 完全ワイヤレスイヤホン Bluetooth対応 マイク付き MMEF2J/A

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ポストPCの行方

世界最大規模のモバイル展示会であるMWCでGalaxy S9/S9+が発表された。

japanese.engadget.com 内容はSoCやカメラなどの正常進化であり、新機能は顔認証などiPhone Xの後追いのところが多く、あまり記載するところはないが、注目は周辺機器だ。

pc.watch.impress.co.jpポストPC

前機種からサムソンはスマホのドッキングステーション『DeX Station』を出していたが、今回より使いやすく改良した『DeX Pad』を発表した。

109.99ドル(日本円で約11,000円)と価格も戦略的で、普及させたいサムソンの意欲が窺える。

ポストPCが言われて久しいが、スマホで事足りる一般家庭はともかく、大学生や少し高度な作業を行う人は、いまだにPCとスマホを併用している。

AppleはiPad ProとキーボードでPCの代替需要を狙っているが、サムソンはドッキングステーションを使ってスマホの機能を拡張することで、PCの代替としようとしている。

スマホの性能がPCに近づいてきているので、キーボード・マウスのインターフェイスと画面サイズが、ハードウェア的なPCとスマホの違いとなっている。これらをスムーズにドッキングするサムソンのソリューションは化ける可能性がある。

Googleの覚悟

あとはOSだ。スマホをPCに活用するためにはAndroid OSを強化する必要がある。Android OSをPCライクに使用することにGoogleがどこまで本気なのかわからない。GoogleはChrome OSの継続を決めており、PC的使い方をChrome OS、スマホとタブレットをAndroid OSと住み分けしている。

携帯電話のハードウェアビジネスでもわかるとおり、Googleの方針がブレるのはいつものことなので、サムソンのソリューションが成功すれば、Android OSのPC OS化も検討することになるだろう。

www.kantakayama.com

言い訳が必要な新型Xperiaとソニーの明日

ソニーの新型スマートフォン登場

ソニーが新型スマートフォン『Xperia XZ2』を発表した。

「Xperia XZ2」の画像検索結果

 

詳細は別レポートを見ていただくとして、CPUとカメラは正常進化を続けており、今までほとんど変わらなかったデザインは丸みを帯びた形状に変更された。

pc.watch.impress.co.jp

 

言い訳が必要な製品

ウルトラスローモーションや新しいバイブレーション機能など、いくつかの先進的な機能はあるが、サムソンやAppleと比較して、「なぜ、これがないの?」というシンプルな疑問が浮かんでしまい、言い訳が必要なのは残念だ。

k-tai.watch.impress.co.jp

  • なぜ狭額ではないのか?
  • なぜこんな分厚いのか?
  • なぜデュアルカメラではないのか?
  • なぜXperia XZ2 CompactにはQi充電がないのか?

デュアルカメラはパーツの発表だけ行い、今回未発表のpremiumモデルに搭載することを強く示唆しているのは混乱を招いている。今回の発表では、新型Xperiaがデュアルカメラ搭載だと間違えた人もいた。

Appleとの比較

Appleも前モデルまではQi充電に対応していなかったが、ハイエンドのiPhone Xだけではなく現行全モデルが対応した。Compactは名前の通り小さいサイズなので設計が難しかったのかもしれないが、「これはついているけど、あれはついていない」だとメッセージは弱まる。

こういうところはAppleがやはり巧みだ。圧倒的なブランド力もあり、多少の齟齬があっても周囲を納得させてしまい、業界の流れを変えてしまう。今回ソニーがQi充電を追加したのもAppleの対応により、ワイヤレス充電環境が整ったのを理由にしている。

過去最高の利益を叩き出し、ソニー復活の報道も多いが、こうしたメッセージ配信と製品力にはまだまだ疑問が残る。

平井社長が退任し、吉田新社長には「言い訳がいらない」経営を期待したい。

 

ジョブズへの二度目の挑戦

新型iPhoneの噂

早くも新型iPhoneのニュースが届いた。

例によって、信憑性は疑わしいが、Apple社内では秋に出るであろう新型iPhoneの仕様が確定する時期ではある。

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今年は3機種?

報道では、

  • 過去最大のiPhone
  • 現行iPhone Xの改良版
  • iPhone Xの廉価版

 

の3機種の販売が予定されるとある。Appleの今までの定石どおりハイエンドに搭載した新機能を廉価版に投入するだろうから、iPhone Xにのみ行われたホームボタン廃止とFace ID搭載は通常のiPhone(iPhone 8s?)でも実行されるだろう。

注目は、「過去最大のiPhone」だ。

過去最大のiPhoneの可能性

iPhone XのPlus版が今年は登場すると筆者は予測していたが、報道のとおりであれば、7インチ程度の大きな画面サイズの製品のようだ。ありえる話だと思う。

狭額仕様のiPhone Xは「画面面積」では現行iPhone 8Plusを上回る。これでは5.5インチサイズのiPhone X Plusを出しても差別化ができない。画面サイズで差異を出すためには、より大きな画面サイズの製品が必要だ。

ふたつめの理由は、Apple Pencilだ。本物のペンのように扱えると好評なApple PencilだがiPadにしか対応しておらず、iPhoneでは使えない。現行iPhone Xより大きな画面であればApple Pencilを使用できる。

3つめの理由は、iPad miniだ。iPadが廉価版とiPad Proの2モデルに強化されたのに、iPad miniは長らくモデルチェンジを行っていない。Apple Pencilに未対応だ。iPadと現行iPhoneとの隙間を大型サイズのiPhoneで埋めようと考えてもおかしくない。

二度目の反抗

スティーブ・ジョブズは生前「7インチタブレットは中途半端だ」と反対した。ジョブズの予言通り、iPad miniは成功したとは言い難い状況だ。

大型iPhone Xの存在が事実なら二度目の中型タブレットへの挑戦となる。iPhoneブランドを使っての新たな挑戦は成功するだろうか?

5Gを使う人、使う機械

5Gのテスト

平昌オリンピックで次世代移動通信システム「5G」の試験が行われた。5Gになると何が大きく変わるのか? ざっくり言うと「速く、たくさんの機器がつながる」ようになる。最大通信速度は現行の4Gの50倍(20Gbps)速く、レイテンシー(遅延)もほぼ解消する。

とは言っても、現行の4G(LTE)で通信が遅いと思っている人はそんなにいないだろう。HDから4K・5Kと画質がどんどん向上していってもコンテンツがなければ意味が無いように、通信速度が上がっても使う用途がなければ意味をなさない。 

リアルが手元に

モバイル通信が高速化されることで起きる一番大きな変化は、VRだ。4Kのリアルな映像を遅延なく見ることで、遠くにいてもその場にいるような感覚をもつことができる。

それによって、医療や機械の操縦などを遠隔地から操作できる。その場にいるのと同じ情報を画像から得ることができれば、リモートから機器を操作して手術が行える。

各社が研究を進めている自動運転も変わってくる。今は各自動車が画像やセンサーからの情報を解析処理して自動運転を実現しようとしているが、5Gになれば端末で処理しなくても通信を経由してクラウド上のサーバーで処理できる。

普及するのか?

ITの世界では「速い」は正義だ。CPUと通信の歴史は高速化の歴史である。5Gも普及はするだろうが、今までとは異なり携帯電話での利用よりも、IoT機器に導入される方がはやく進むと思う。

スマホで5Gを使いたくなるキラーコンテンツがでればまた別だろうが、料金の問題ある。5Gの設備のために、各携帯キャリアーは莫大な投資を行うことになる。その投資額はユーザーの料金に跳ね返る。アーリーアダプター層だけが利用する期間がLTEのときよりも長いと予想する。

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