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両輪を失う東芝に残された道

米国の原子力事業で起きた巨額損失を埋めるために、東芝は虎の子の半導体事業を売却しようとしている。不正会計で地獄を見た東芝は、半年前には原発半導体が事業の両輪だと言っていたのに、事業の両輪を失う新たな地獄に落ちてしまっている。

東芝のPC事業が今後どうなるのか、あまり表に出てこない。半導体事業より比較的規模の小さいPC事業に構っているときではないのかもしれないが、不正会計の舞台のひとつはPC事業だったし、富士通との統合などPC部門の切り離しは半導体売却がでる前から話は出ていた。

Lenovo,HP, Dellなどのグローバルベンダーに規模で劣る東芝のPC事業は今後大きな利益を生むことはないだろうから、いずれ売却か事業停止に追い込まれる可能性が高かった。

だが、車の両輪を失った東芝に残る事業はインフラとPCがメインになる。以前とは比べ物にならない事業規模とはなるが、売却とリストラで小回りが利くようになった東芝がPC事業に改めて注力するとしたら興味深いストーリーだ。

ダイナブックからはじまった東芝のノートPCは、今でも一定のブランド力がある。数はでなくても利益率が高い製品を販売すれば、事業を存続できる可能性はある。もっともこの分野はVAIO, MacBook, ThinkPadとライバルも多いので、困難な道なのは間違いないが、東芝が走れる道はもはや限られてきている。

 

AndroidがAppleに勝てない唯一の理由

iPhoneの新規購入者の30%がAndroidからの乗り換えだそうだ。 

japan.cnet.com

Android OSはスマートフォン・タブレットのOSとしては世界最大のシェアを持つ。それでもiOSは一定のシェアとスマホ業界のほとんど全ての利益率を得ている。

デファクト・スタンダードになった製品が圧倒的に強いIT業界で、なぜAndroidは力を発揮できないのだろうか。

すべての問題はAndroid OSがバージョンアップできないことに起因する。

iOSは新しいバージョンがでる半年前の発表会から話題になる。それは既存ユーザーのほぼ全員が恩恵を被ることができるからだ。

Androidでは新しいOSが発表されてもほとんどのユーザーはアップデートできない。ベンダーが独自にAndroid OSを改造しているので、対応が終わるまで最新OSは意味をなさない。これでは既存ユーザーはOSに興味が持てないし、ロイヤリティも高まらない。Appleのブランド力の源泉が、ユーザーのロイヤリティにあるのは周知の事実だ。

Androidは多くのバージョンのOSが市場に混在することになる。各バージョンへの対応を手間に感じて、アプリ開発者はiOSでのアプリ開発を優先する。

グーグルも、この問題をもちろん理解していて、自社ブランドのスマホを強化するために昨年Pixelを発表した。

OSのブランドを維持して利益を確保するためには、水平分業ではなく垂直統合モデルを採用するべきだとAppleを見てGoogleも気づいたのだ。今までWindows OSだけでPCを開発していなかったMicrosoftがSurfaceを強化しているのも同様の理由だ。

シェアを握り、多くのアプリを呼び込むために効果的だった水平分業モデルからの転換は、この十年のIT業界で起きた大変化の一つだろう。

 

Amazon Echoは、すぐそこまで来ていた

アメリカで人気のAmazon Echoが、いつ日本で販売開始になるのか注目が集まっている。絶賛されている音声認識の日本語化が課題と思われていたが、先週アップデートされたAmazonアプリの音声認識がかなり良い出来だったので、Amazon Echoの日本上陸はかなり近いとみる。

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Amazon Echoとは?

Aamazon Echoについて簡単に書くと、Siri搭載の卓上型スピーカーである。音声でスピーカーの操作はもちろん、本日の予定などを質問できる。驚くはその精度と流暢な発声だ。膨大な音声データを解析したAlexaと呼ばれる音声技術はSiriよりもはるかにレベルが高い。

Alexaは他社にも無償で提供されており、今年のCESではAlexaに対応した冷蔵庫や自動車、ロボットが多数発表された。様々な機器に利用されれば、Amazonの元に集まる、さらに多くの音声データを解析し、Alexaはより精度を高める好循環が生まれる。

gigazine.net

 

Amazonアプリの実力は?

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使い方は簡単。Amazonアプリの検索ボックスにあるマイクボタンをタップするだけだ(初回のみマイクへのアクセス許可が必要)。

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試してみるとわかるが、誤認識がほとんどない。日本語の音声認識が高水準なのと、認識した用語とマッチングするテキストデータが膨大だからだろう。

 日本語と英語が混じった言葉も正確に認識し、アルファベットかカタカナか聞いてくれる。Siriなどの他の音声認識では見たことがない機能だ。

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アプリでは日本語の発声水準は確認できないが、高度な認識技術から、すでに開発が進んでいると思われる。

意外なことにAmazonは全世界でサービスを展開しておらず、サイトを運営しているのは13か国だけだ。対応しなければならない言語はそれほど多くない。売り上げの規模が北米に次いで多い日本へ売れ筋のAmazon Echoの導入を急いでもおかしくない。

日本でAmazon Echoが受け入れられるかは興味深い。Echoの後には多数のAlexa対応製品が控えているのだから。

 

Nintendo Switchは順調なのか?

任天堂の君島社長曰く、Nintendo Switchのローンチソフトが少ないのは計画通りだそうだが、本当だろうか?

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Switchの販売計画は変更された

任天堂、E3 2016でNXは展示せず「ゼルダの伝説」最新作に焦点 - GAME Watch

NXと呼ばれていたSwitchは、2016年夏のE3で発表し、年末のホリデーシーズンに販売予定だった。開発が間に合わず、一番の稼ぎ時をスキップして今年の3月発売へ変更になった。代わりにE3ではゼルダの新作のデモを流したが、そのゼルダはWii U用だった。

E3でNXを発表できなかったのはハードの製品版が完成していなかったからだろう。最終形ではなくてもある程度ハードの仕様が確立していなければ、ソフト開発も滞る。現にローンチの目玉であるゼルダはSwitchの売りである特殊なコントローラーに対応していない。

君島社長が言うように計画的なソフト供給であるなら、ローンチの売りであるゼルダはSwitchの特色を表現する内容になっているはずだ。

 

本体の売り切れを防ぐために、ソフトの発売日をずらした?

business.nikkeibp.co.jp

この記事では、発売日に本体の品薄を防ぐためにビックタイトルの発売日を分散させたとあるが、本体の供給が間に合わないなら、世界同時発売をやめればよかった。PS4は一番売上が見込める米国の発売を優先した。日本のユーザーには恨まれたが、アメリカの評判が日本の売上に繋がったし、極度な品薄と転売を避けることが出来た。

Switchでも任天堂が弱い欧州を後回しにするなど対応できたはずだ。売れるソフトの発売日を延期する理由としては弱い。

 

サードの販売促進のため?

ローンチに任天堂の強力なソフトが揃うと他社のソフトが売れず、サードの開発会社がSwitchへの参入をためらうから、任天堂がわざとソフトの販売を遅らせたのではと先の記事にはある。

しかし、サードのロンチソフトは移植作ばかりで、力が入っていないように見える。任天堂がソフトを出そうが出すまいが、爆発的に売れるラインナップではない。

確かに任天堂のソフトしか売れないのは昔からの課題ではあるが、今の段階ではサードをSwitchに惹きつけることができていない。マリオなど売れ筋ソフトの販売を遅らせてSwitchの売上が伸びなければ、サードの開発意欲は更に減退し、以前と同様にサードのソフトが増えない事態に陥る。ただでさえ特殊なコントローラーに合わせた開発が必要なSwitchは敬遠されがちなのに、そんなリスクを犯すだろうか?

 

その後のソフト開発は順調?

噂レベルではあるが、夏の目玉である『スプラトゥーン2』は夏休みの後半である8月15日発売だそうだ。すでに体験会が開かれているので、完成が近いようにみえるが、実際のところはどうなのだろう?

 

以前指摘したように任天堂のソフト開発能力が心配である。


賽は投げられた

心配な点はあるが、あと数週間でSwitchは発売される。今後の売れ行きを決めるのはユーザーだ。ユーザーの評判が良ければ、売上も増え、ポジティブな循環が生まれる。

初期出荷台数は世界で200万台と任天堂は明言している(この数字はWii Uと比べてもかなり少ない)。このうちどれだけが売れるのか、3月の販売台数は要注目だ。

 

 

 

次期Apple WatchとwatchOS 4

Apple Watchが売れているそうだ。

iphone-mania.jp

Series 2になって高速化、防水・GPS機能の追加、省電力化と初代の欠点を全て解消したのが大きかった。

日本の場合はApple Payへの対応も、買いの材料になった。時計ひとつで電車に乗って買い物をするのは、一度体験するとやめられない。

次期iPhoneの噂話は喧しいが、次期Apple Watchの噂は聞こえてこない。iPhone 7とApple Watch series 2は同日の発表だったのに、だ。

現時点で可能なハードウェアの欠点を解消したSeries 2の後継を開発するのは確かに難しいのかもしれないが、ソフトウェア部分にはまだ課題は多い。6月のWWDCで発表されるだろうwatchOS 4を願望も含めて予測してみる。

 

画面の常時点灯

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画面をタッチするか手首を曲げないと画面が表示されないのはApple Watchの大きな不満のひとつだ。時刻を見ようと手首を曲げても反応が悪くて、黒い画面を見るのは悲しい。

常時点灯を許可していないのはバッテリーが保たないからだと思われるが、Series 2ではバッテリーの心配は軽減されている。一日中、腕に巻いていても70%ぐらいはバッテリーが残る。

使用用途によってはバッテリーが心配な人もいるだろうから、せめて常時点灯ができる設定だけでも欲しい。

 

リアルタイム更新

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Appleはサードアプリの更新頻度を制限している。iPhoneのアプリだとバックグラウンド更新できるのに、Apple Watchのネイティブアプリはコンプリケーションに設定するか、Dockに入れて画面を表示しないと更新できない。この制限がwatchOSのアプリ開発を難しいものにしている。

これもバッテリーの保ちを心配しての措置だろうが、Dock格納アプリにはバックグランド更新を設定できてもよいのでは?

 

多様な振動

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振動で電話やメールの着信を知らせる通知機能はApple Watchの売りのひとつだ。ただ通知の振動は一種類しかないので、メールが着信したのか次の予定の通知なのかわからない。スタンドなどの標準アプリで使われている独自の振動をサードアプリにも解放してほしい。

 

通知の処理

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通知を消すためには画面の強押しで一括消去するか、通知の一つずつ読んで消す作業が必要で、スマートな動作ではない。手首を振って通知を消去する噂が以前あったが、非常に良いアイディアだと思う。操作する時両手を使わないといけないのは腕時計型の欠点なので、できるだけ片手で扱える操作にして欲しい。

 

グランスと「友達」の復活

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watchOS 3でDockを採用し、グランスと「友達」を廃止したが、現行のDockは本当に使いやすいのだろうか。洋服や手首がじゃまになりがちなサイドボタンを押すよりも、以前のグランスのように画面を上スワイプの方が簡単に操作できる。サイドボタンをダブルクリックするApple Payの操作も失敗することも多いので変更したい。

「友達」も特定の人にメールや電話するのに便利だったので復活して欲しい。

 

watchOS 4での操作案

上スワイプ・・・Dock起動。左右のスワイプでアプリを移動。現行の設定画面もDockの一部とする

下スワイプ・・・通知(現行通り)

サイドボタン・・・Apple Pay

サイドボタンのダブルクリック・・・友達

クラウンボタン・・・ホーム画面(現行通り)

クラウンボタンのダブルクリック・・・アプリの切り替え(現行通り)

 

ハードウェアの進化は?

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ハードウェアの進化はもう少し先になるかもしれない。
次の大きな進化は、Apple Watch単体での動作だ。今のApple WatchはiPhoneがないと、ほとんど何も出来ない。

SIMを刺してApple Watch単体でネットにアクセスできるにはバッテリー技術が進歩しないと難しいだろう。Apple Watch単体で常時LTE通信したら今のバッテリーでは保たなくなる。ウェアラブル端末はバッテリーを厚くして、これ以上重くするわけにいかない。

画面の小ささも時計端末の制約だ。画面を大きくすればそれだけ重くなる。ホログラム映像が一般化されれば、画面の制約を突破し時計型端末ももっと広まるだろうが、それは近くない将来の話だ。

 

iPhoneとApple WatchどちらでApple Payすべきか

2種類のApple Pay

Apple Watch series 2所有者の50%以上はiPhone 7も使っている(筆者調べ)。iPhone 7(以下iPhone)とApple Watch series 2(以下Apple Watch)の両方でApple Payが使えるので、両方の所有している人はどちらの機器を使えばよいか迷いときもあるだろう。状況に応じてどちらを使えばよいか筆者の経験を記しておく。

注意が必要なのは、一枚のSuicaはiPhone 7とApple Watchの片方でしか使えないことだ。QUICPay、iDは一枚のカード登録で両方の機器で使用できる。二枚のSuicaを持っていれば(またはオンラインでもう一枚新規登録する)、別々のSuicaをiPhoneとApple  Watchに登録できる。

本稿は右利きで腕時計を左腕に嵌めている人を対象とする。 

<追記 2018/05/17>

iPhone XはFace IDで認証しないとApple Payが使えない。サイドボタンダブルクリック→カードを選択→ iPhone Xを顔に向ける → 認証の手順になり、Touch IDの認証より面倒に感じる。Apple Watchと併用するなら、なるべくApple WatchでApple Payしたい。

駅の改札

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  • Apple Watch

左腕にApple Watchをつけていると駅の改札で体をねじるのが大変そうだが、やってみると案外簡単にできる。荷物を持っているときやキャリーバッグを引きずっているときにiPhoneを取り出して手に持つのは大変だが、Apple Watchなら何も持つ必要がない。右利きなら左腕が空いているのでむしろ楽だ。

セブンイレブン

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  • Apple Watch

セブンイレブンのレジは読み取り機が左側にあるので、Apple Watchで触れやすい。レジで「Suica」と言って(Apple Payと言ってはだめ)、Apple Watchで読み取り機に触れれば支払い完了(Suicaをエクスプレスカードに設定している場合。設定するデメリットはないので必ず設定すること)。

「QUICPay」「iD」は、Apple Watchのサイドボタンをダブルクリックしてカードを選ぶ。複数のカードを登録した場合はメインカードに設定したカードが優先して選択される。メインカード以外のカードを使用する場合は、ダブルクリックのあとに左右フリックで選択する。

ファミリーマート

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  • Apple Watch(Tポイントを貯めていないなら)

ファミリーマートもセブンイレブンと同様に左側に読み取り機があるのでApple Watchが便利だが、Tポイントカードを貯めている人はカードも提示しなければならないので、結局財布を開かないといけない。TSUTAYAならTSUTAYAアプリの画面を見せればポイントをチャージできるので物理的なカードは不要だが、ファミリーマートではアプリが使えない。ファミリーマートではバーコードでの読み取りができないからだ。

すべてのポイントカードをバーコードでの読み取りにしてアプリ化してほしい。

<追記 2018/05/17>

 現在、ほぼすべてのファミリーマートでモバイルTカードが使用できる。Apple Watchで支払い、iPhoneでモバイルTカードを提示する事も可能だが、一度iPhoneを手に持ったなら、そのままApple Payしたほうがよいかもしれない。

ローソン

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  • iPhone (現在はPontaポイントを貯めていないならApple Watch。追記参照)

Apple Payユーザーに悪名高い(?)ローソンでは、iPhoneを使うほうがよい。ローソンはセブンイレブン・ファミリーマートと異なり、「iD」「QUICPay」と店員に告げても、タッチパネルで使用する電子マネーを選択しないといけないので、選択する前と後の二度Apple Pay端末を読み取り機に近づける必要がある。

サイドボタンのダブルクリックが必要なApple Watchだと、二回の作業が面倒だし、失敗することも多い。

ローソンでポイントがたまるPontaカードはバーコードで読み取り可能なのでPontaカードのアプリ画面をみせればiPhoneでポイントをチャージができる。どうせiPhoneを取り出さなければいけないなら、iPhoneで決済してしまった方が楽だ。

他のコンビニのように手間がいらない端末にローソンも順次切り替えているようなので、新端末を見かけたらApple Watchでも試してみたい。

<追記 2018/05/17>

今日現在、ほぼすべてのローソンで新型機器に切り替わっている。二度押しは必要ではないので、Apple Watchでいこう。 

<追記 2018/11/07>

PontaカードをApple Walletに登録できるようになった。これにより、一度の作業でApple Payでの支払いとPontaポイントを貯めることができるようになった。

イオン系

  • iPhone (旧端末の場合。iPhone Xなら、Apple Watchでも)

マックスバリューやイオン各店でApple Payする場合は、旧型の端末に注意(下の写真)f:id:tkan1111:20180517101226p:plain

使用する電子マネーを客が選択する必要がある。選択するのは良いのだが、上述のローソンの旧端末と同様に2回認証が必要になる(iPhoneもApple Watchとも)。一度認証した後に、再度認証を求められるので、初めてだとかなり焦る。iPhone 7だとそのままじっと我慢すれば連続で認証されるので問題はないが、Apple Watchだとサイドボタンをもう一度ダブルクリックしないといけない。

iPhone Xだと顔認証が必要なので、一度端末に向けたiPhoneを持ち上げて自分の方を向かせないといけない。Apple Watch、iPhone Xどちらも面倒だ。

幸いイオン系スーパーでも新しい端末に入れ替わり始めている。新端末は一回の認証で大丈夫。

慌てない、慌てない

Apple Payでの決済を失敗してレジでまごついている人をたまに見かける。Apple Watchならサイドボタンをダブルクリックしていなかったり、iPhoneならホームボタンに指を置いていなかったりしているケースがほとんだ。落ち着いて行えば難しいことはない。

読み取り機の精度にもよるが、Apple Watchをはめて服の上から端末にタッチしても決済される(筆者は失敗した事は一度もない)。Apple Watchの画面が消えている状態でサイドボタンをダブルクリックしても読み取り可能な画面になる。

日常生活でストレスなく使えるようにAppleはきちんと考えて設計している。慌てず冷静に行えば大丈夫。せっかくの機能なのでぜひ試してほしい。

iPhone 8は発売されない(今年は)

ここにきてiPhone 8の噂がいくつか出てきている。例年通り秋に新モデルが発売されるなら、正式に部品を発注する時期なので確度が高い情報なのだろう。ワイヤレス充電、有機ELディスプレイ導入の噂は以前からあった。

ここでiPhone 8がどうなるのか予測してみよう。


5年毎に更新される充電方式

現在の充電方式であるLightning端を初めて搭載したのは2012年のiPhone 5だ。初代iPhoneから5年目の変更だった。裏表がないので刺す時に間違えることがないLightning端子は、Micro USBが多いAndroidのアドバンテージに今でもなっている。

Lightning導入から5年が経った今年、ワイヤレス充電を採用する可能性は高い。端子を変更するなら、MacBookに順次導入してきたUSB-C端子に、昨年のiPhone 7で変更しても良かったと思うがApple Pencil、昨年末発売のAirPodsのiPad、iPhoneの周辺機器でもUSB-CではなくLightningを採用した。これはUSB-Cではなく当分Lightning端子が残ることを示唆している。

ワイヤレス充電が採用されても、Lightning端子はなくならないだろう。ただのケーブルと異なりワイヤレス充電の装置は高価で複数台揃えるのはすぐに難しいので、Lightningケーブルと併存することになるだろう。

高いシェアを誇るiPhoneがワイヤレス充電を導入するインパクトは日本では絶大だ。スタバやマックなどのテーブルにワイヤレス充電器が埋め込まれるかもしれない。

 

OLEDが3年ぶりにiPhoneを変える

Appleは何一つ公式に発表していないが iPhoneへのOLED(有機EL)パネルの採用は、もはや既定路線となっている。OLED採用により、3年も変わっていないiPhoneの形状が大きく変わることになり、薄型化と省電力化が見込まれる。

OLEDパネル採用には、価格高騰と安定供給が課題になる。液晶と異なりOLEDは”枯れた”技術ではなく、供給量も少ない。iPhoneのためにAppleが大量に発注すれば価格は高騰し、競合他社とパネルの取り合いが起きる。

サムソンが工場を増設し、鴻海が中国内の工場新設を計画しているが、新型iPhoneが爆発的に売れたら供給が需要に追いつかない状況も予想できる。

今までの慣例と反してiPhone 7のボディを変えなかったのは、OLEDパネルの供給が昨年時点では不安だったからだと思われる。

 

ホームボタンはなくなる?

www.gizmodo.jp

OLEDパネル採用でiPhoneのボディ形状は大きく変わる。直接は関係はないが、全面ガラスパネルになり、ホームボタンがなくなる予測は昨年からでていた。

iPhone 7からホームボタンを感圧式に変更したのは主に防水のためだが、パネル内の一部を擬似的なホームボタンにするのも難しくないだろう。広くなったMacBookのタッチパッドのどこを押してもボタンを押した感触が返ってくるので、iPhoneのパネルでも実現可能だ。

ホームボタンがなくなると困るのが指紋認証だ。パネルのどこでも指紋認証できる仕組みはまだ確立されていない。指紋認証対応したパネルの一部に指を合わせろというのはユーザーには心理的負担になる。

虹彩認証を採用すれば全面パネルにしてもカメラで虹彩を認識するので問題はなくなる。ただ、屋外など明るい場所では認識率が落ち、カラーコンタクトレンズを装着していると使えないなど課題も多い。

それ以外にも背面もガラスになる、金属製のボディなど噂はあるが、こればかりは筐体が流出する夏以降にならないとわからない。

 

そもそもiPhone 8なのか?

今年発売される高機能なiPhoneはiPhone 8なのか? 本ブログでは、iPhone 8ではなく、今年Appleは「iPhone Pro」を発売すると予想する。

tkan1111.hatenablog.com

 iPadの販売不振をカバーするためにiPhoneファミリーを拡大し、高価格帯とiPhone Plusよりも大きいサイズのiPhoneを投入すると思われる。iPadはクリエイターが使用する高機能タブレットとして『iPad Pro』に注力して、無印iPadがカバーするコンテンツ参照はiPhone Plus (Plus Plus?)に任せる方針に違いない。

供給量リスクもあるので、まずはハイエンドモデル『iPhone Pro』のみへのOLED採用は妥当だろう。

もうひとつの根拠がネーミングだ。隔年でナンバリングにSをつけるネーミングは10年続けてきたので、容易に変更したくないだろう。

毎年ナンバリングを変更するとすぐに二桁になってしまい、iPhone 12とかいいづらい。それまでの間にOS Xみたいに命名規則を変えるか、そもそもナンバリングをやめると思うが。

ただ、ワイヤレス充電は全モデル(iPhone 7s?, iPhone7s Plus?)に搭載されると思う。他社にインフラ投資を促すために対応する台数を増やすのが大事だからだ。

iPhone 8は販売されなくても、今年登場するiPhoneが今までにないモデルなのは間違いない。ただ、それが今の好調な株価に見合うだけの販売成績を残せるかはまだ不透明だ。

AirPodsを買ったらSiriと仲良くなろう

AirPodsは画期的な製品だが、ボタンがひとつもなく、Siriにお願いして操作してもらう思い切りの良い仕様になっている。

ここはSirを味方につけてAirPodsを便利に使ってしまおう。ヘッドホンをポンと2回叩けば、色々なことをお願いできる。

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「新しい通知」

iPhoneを使っているとアプリからの「通知」が貯まってしまう。Siriにお願いして、移動中に通知を処理してしまおう。着信したメールやメッセージを次々と読み上げることもできるし、返信も選択できる。返信すると、それ以降の読み上げを忘れてしまうのはご愛嬌。もう一度「新しい通知」とお願いしよう。

「妻にメッセージ」

帰宅途中に「これから帰るよ」と簡単にメッセージを送れる。

iPhone(というかiCloud)の連絡先では、自分の家族を登録できる。妻や夫、父や母など自分の家族を登録しておくとSiriにお願いしやすい。名前だと同じ名前や似た名前が連絡先に登録があると誤認識しやすい。「父さん」みたいなラフな言い方でも通じる。確認した限りだと、「父ちゃん」「母ちゃん」「ワイフ」「カミさん」「奥さん」いずれも認識してくれた。

iPhone同士ならメールよりもメッセージの方が早い。メールだと複数のアドレスが登録されている場合、どのアドレス宛に送信するか確認が入るが、メッセージだと携帯電話番号でやりとりできるので確認が要らない。

 「プレイリストの〇〇をシャッフル」

AirPodsを耳に装着しても自動で音楽を再生してくれない(再生後、片耳を外して一旦停止したときのみ、再度耳につければ自動再生する)。

「再生」で音楽を再生してくれそうだが、「何を再生しますか?」と訊かれてしまう。「音楽を再生」でもよいが、iPhoneに入っている全ての音楽を最初から聴きたい場面は少ないだろう。そういうときは「プレイリストの〇〇をシャッフル」と言えば、該当のプレイリストをシャッフル再生してくれる。プレイリストは口頭で伝えやすい名前にしておくと誤認識されにくい。プレイリストが曲名と被っていなければ「〇〇(プレイリスト名)をシャッフル」でもいける。

日本語のSiriだとアルファベットの曲名とプレイリストを認識してくれないので注意。

 「音量を8にして」

Siriに「音量をあげて」と頼むと2つボリュームをあげてくれる。一気に音量を上げたい場合何度も言わなければならず面倒だ。外出時に聴いているボリューム、自宅でのボリュームを覚えていれば、そのボリュームに調整できる。iPhoneのボリュームは16段階。「音声を最大にして」「音量を最低にして」と頼むこともできるが、最大ボリュームだと耳が壊れる。

 「次」

今は聴きたくない曲が流れたら、「次」でスキップできる。「スキップ」でも同じ動作をするが、「次」の方が短いし、認識されやすい気がする。

 「曲名は」

現在流れている曲の名前を教えてくれる。これもアルファベットの曲名だと発音がおかしい。設定でSiriの言語を英語にすれば解決するが、ネイティブ並の発音が求められる。

 

これ以外にも「明日の天気」「今何時」「家に帰る」などの情報を聞くことももちろんできる。Siriが誤認識してウザくなったら、イヤホンを二度叩こう。Siriの動作がキャンセルされる

Siriを使いこなせばAirPodsは、もっと便利になる。Siriにお願いする時周りに人がいると恥ずかしいが、ここはユーザー全員が臆せず使い続けて社会の方を馴致させてしまおう。

 

AirPods MMEF2J/A

AirPods MMEF2J/A

 

 

Webサービスはフリーミアムの箱から抜け出せるのか?

フリーミアムという幸福な時代

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2008年はクラウドベースのWebサービスが花開いた年だった。前年に開始したDropboxに続き、Evernoteがスタートした。

人々がスマホを使い始め、パソコンと合わせて複数の端末を所有するとデータの同期が課題になった。PCに保存した情報をスマホで参照したいし、スマホで情報を更新したとき、複数のバージョンの情報が混在すると使いづらい。

そこで登場したのがDropboxや、Evernoteだ。Dropboxは複数端末間のファイル共有と同期を行うオンラインストレージであり、Evernoteは複数のノートをクラウドに蓄積し、どの端末からでも検索・抽出できるようにした。

ふたつのサービスの特徴は初期使用料が無料だということだ。両方とも少ない容量しか使わないなら費用を負担する必要はない。いくつかの制限はあるが、95%以上の客は一円も払わず、より多くの容量で使いたいハードユーザーである数%の人だけが負担する費用で経営を成り立たさせるビジネスモデルで、フリーミアムと呼ばれた。

フリーミアムは、ユーザーと企業両方が幸福になるビジネスモデルだと言われていた。このモデルの背景には、Webサービスは無料というカルチャーがある。インターネット初期は、通信料金以外インターネット上のサービス・情報はほぼ全て無料だった。お金を稼ぐよりも、まずインターネットという新しい世界で人気をつかむことが大事だったのだ。太平洋を目指してアメリカ大陸を西へ向かった開拓民のような熱気が当時のインターネットには広がっていた。当時は通信料金が高かったので、サービスも有料にしたら誰もアクセスしないという理由もあった。

 

マネタイズに苦労するフリーミアム 

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2010年を過ぎた頃から、Webサービスはマネタイズに苦労し始める。Webサービスの寡占化が進んだのがひとつの理由だ。

Gmail、Google MapなどGoogleが提供するサービスの品質は高く、もちろん無料だ。Googleのサービスや検索を毎日使用していても、Googleに直接お金を払った経験がない人は大勢いるだろう。もちろんGoogleも霞を食べているわけではなく、広告収入がGoogleのビジネスを支えている。

世界最大のWeb広告代理店となったGoogleだからできる手法で、中規模ベンダーは別の手法を取らざるをえない。

Evernoteが行ったのは無料ユーザーの機能を制限して、課金へ誘導することだ。一度便利さに慣れた人は不便な生活に戻れないとよく言われるが、それは代替手段がない場合で、Evernoteの代替ツールが、MicrosoftのOneNoteなど大勢ある。

tkan1111.hatenablog.com

既存ユーザーの機能を絞るEvernoteの施策はネットでの評判からは成功していないようにみえる。

 

企業ユーザーは無料が不安

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では、どうしたらWebサービスを継続できるのか? ひとつの鍵はビジネスユーザーである。Webサービスは無料だと慣れきっている個人ユーザーと異なり、ビジネスユーザーは有料でも仕方がないと考える。

無料だとそのサービスがいつ停止しても、なくなっても文句は言えない。そんな不安定なサービスをビジネスで使用するのはリスクでしかない。無料であるが故、セキュリティの面で不安なWebサービスも多い。

ビジネスユーザー向けにサービスを展開して成功しているのがDropboxだ。Dropboxでは個人ユーザーは無料で使用できるが、ビジネスユーザーは有料だ。ビジネスユーザーだと、ユーザーアカウント管理ができて、不正なアクセスも防止できる。削除したファイルの復元、ファイルの更新履歴管理とビジネスの継続をサポートする機能が提供される。

Dropboxは年間売上予測が10億ドル、企業ユーザー数は12万社以上とビジネスが順調だと発表した。今年後半にはIPOも計画していると言われている。

jp.techcrunch.com

 

個人ユーザーも課金の覚悟が必要な時代

企業向けが好調だからかDropboxでは個人ユーザーへの機能制限は今のところないが、Webサービスは無料という幸福な時代は終わりを迎えようとしている。スマホゲームは課金が前提になり、新聞は無料で閲覧できる記事を制限している。課金を促す手法は昔より洗練化され、巧妙に無料ユーザーを絡め取ろうとしている。

今後も、我々がWebサービスを利用していくためには、良質なサービスを選別し、本当に自分にとって便利なサービスには課金する覚悟が必要なのもかもしれない。そうしないと広告収入をおさえるGoogleのような巨大企業しかWebサービスを提供しなくなる選択肢が乏しい時代になってしまう。

 

 

 

子供を切り捨てたNintendo Switchに勝算はあるか?

発売日から一ヶ月を切って、Nintendo SwitchのCMが流れはじめた。

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www.nintendo.co.jp

家族はどこに?

コンセプト映像もそうだったが、家族で遊ぶ姿が映像にでてこない。大泉洋をメインキャラクターにしているので、大きくなってゲームを辞めた若年層とそれより少し上の層をターゲットしているのだろう。

3DSのCMは子供に人気がある嵐だった。任天堂のポータブル機はゲームボーイの頃から子供向けなので、ターゲットは変わっていない。

 

家族がターゲットだったWii U

Switchと同じ据置機であるWii Uはどうだったのだろう。Wii Uのローンチソフト『Nintendo Land』のCMでは家族が遊んでいる。

www.youtube.com

ライトゲーマーを獲得して売れに売れたWiiの後継機種として発売されたWii Uで、Wiiと同じ客層を狙ったのは当然だろう。だが、そのライトゲーマー層は、Wiiとの違いが見えづらかったWii Uへの買い替えは行わず、Wii Uの販売は不振を極めた。

 

ターゲットを変更した事情

Switchのローンチソフトである『1-2-Switch』の紹介映像には、『Nintendo Land』とは異なり家族がでてこない。Switchの映像からは子供が遊ぶ姿はほとんど見かけない。

 

Switch関連の機能で子供を対象しているのは、「みまもりSwitch」だ。子供が遊んだゲームを保護者が管理できる機能だ。子供がゲームをやりすぎる懸念はファミコンの頃からあるし、ネットに繋がる現代は不特定者とのコミュニケーションも親が気にするのはわかる。

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Switchは子供から大人にターゲットを変更して、ボイスチャットなどのコミュニケーションも計画されているから、今まで以上に子供を保護したいのはわかるが、監視機能だけを強調されると子供がゲームをやってはいけないように思えてくる。

今までのメインターゲットである子供を切り捨てた理由はなんだろう? 少子化だろうか? ひとつの理由は子供が買うにはSwitchが高価になりすぎたからだろう。液晶画面をつけた据え置き機という仕様になったSwitchは、任天堂ゲーム機の中では最も高価だ。本体だけで3万円を超えると子供では容易に手が出ない。

ハードゲーマー向け据置機PS4とライトゲーマーが遊ぶスマホの間を狙ったSwitchは、いつでもどこでもジョイスティック付きで快適に遊べる液晶付き据置機というコンセプトで開発された。その結果、製造原価は上がり、子供ではなく大人をターゲットにせざるを得なかったのだ。

もちろん、そのターゲットはPS4とスマホでゲームを遊ぶ層と重複する。

ふたつのカテゴリーの狭間をSwitchが広げることができるか、押しつぶされるのか今後注目だ。

Nintendo Switch Joy-Con (L) ネオンブルー/ (R) ネオンレッド

Nintendo Switch Joy-Con (L) ネオンブルー/ (R) ネオンレッド

 

 

Apple Watchで買うべきバンドは?

Apple Watchはバンドを選べるのが愉しみのひとつだが、純正だけでも数が多すぎて何が最適かわからない人も多いと思う。

参考までに筆者が買ったベルトをレビューする。

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最初に買うべきはスポーツバンド 

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Apple Watchの登場は今までの時計の常識をいくつも壊した。身につけた部分に使うと腐食すると言われていたアルミニウムを本体に使用し、この価格帯では使われないような高水準のステンレスモデルを用意してきた。

従来の腕時計よりも簡単にバンドを交換できるようにして、服装や気分に合わせてバンドを変えやすくした。

工夫をこらしたバンドの中で最も画期的なのがスポーツバンドだ。

手首の太さに合わせて調整して余ったバンドの処理は今までの時計の課題だった。革バンドの場合、遊革という細長い革で余ったバンドを止めるのが一般的だが、遊革という名前の通り動くので、何かにぶつかるとすぐにずれてしまう。

スポーツバンドは、余ったバンドをバンドの下に差し込めるようにしてその課題を解消した。金属のピンをゴムに似たフルオロエラストマーの穴にはめるだけだが、バンドの先を差し込んでいるのでまったくずれない。

スポーツバンドといっているが、ブラックであれば大体の格好に合うから、万能でApple Watchのスタンダードといっていい出来だ。

最初は止めるのにコツはいるが、腕時計本体を下にしてバンドの端を引っ張るように押し込めば簡単に装着できる。

ちなみに、バンドの色によって重さが異なる。42mm用のスポーツバンドのブラックは40g、ホワイトは51gあり、11gの差がある。アルミケースの42mmモデルが30gだから11gの差は結構大きい。ランニングなどスポーツをする人は気になるかもしれない。

 

TPOにあわせてミラネーゼループを

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スポーツバンドは万能だが、スーツで客先へ行くときなど躊躇する時もある。そういうときはミラネーゼループがよい。

ミラネーゼループも画期的なバンドで、従来の腕時計では使えなかったマグネットを使用し、バンドの長さを無段階で調整できる。マグネットで金属のバンドに止めるだけなので、手間がいらない。金属バンドだが、アルミニウムモデルに合わせても、それほど違和感がない(ブラックの本体にブラックバンドの方がマッチしている)。

欠点は、毛深いと腕の毛が挟まること、PCを操作する時金属のバンドが当たり傷がつきそうな気がすること、力を入れるとマグネットが少し緩むことか。あと、バンドの先端は傷つきやすいので注意が必要だ。バンドを交換する時に上下がわからなくなったときは(筆者だけ?)、バンドがループしている部分を時計の下につけると覚えておくとよい。

金属だから重そうだが、41g(42mm用)なのでほとんどの色のスポートバンドより実は軽い。

ジョギングするならApple Watch Nike+

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バンドに穴があいているNike+バンドはブラック/ボルトモデルで25g(42mm用)で、スポーツバンドより軽いので、ランニングするなら買うべき。Nikeバンドは別売りしていないので、ほしいなら本体と一緒に購入するしかない。

穴が多いので微調整ができそうだが、Nikeバンドとスポーツバンドの穴が開いている間隔は同じ。スポーツバンドの欠点である通気性の悪さも解消している。

最軽量のバンドは?

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初期のApple Watchの純正バンドで一番軽いのは、クラシックバックルだった。革製でもっとも標準的な腕時計のバンドのクラシックバックルは19g(42mm用)で、Nikeバンドよりも6g軽い。アルミニウムモデルにクラシックバックルで装着するとつけていることを忘れるほど軽い。革なので使用していると尾錠(金属部分のこと)の跡がつくのが難点か。

現在販売しているバンドで最も軽量なのはウーブンナイロンバンドだ。わずか12g(42mm用)しかない。スポーツバンドより通気性もよい。

ただ筆者は最近あまり使わなくなった。ウーブンナイロンは名前の通りナイロンの織物なので使っていてバンドの端がほつれてきたからだ。時計本体に付ける部分がプラスチック製で、金属製の他のバンドとくらべてカチッとはまらないのも交換する時に気になる。アルミニウムに見えるがバックルはステンレス製だ。水分を吸収するので走れば汗を吸収し、手を洗えば普通に濡れる。

バンドは複数持とう

簡単にバンドを交換できるのは今までの腕時計ではなかったApple Watchの大きな愉しみだ。日によってバンド交換するのは気分転換に良い。まずはスポーツバンド(かNikeモデルを購入)とミラネーゼループを買うことをお勧めする。

目がだめなら、耳がある。- ARの現状 -

昨日はVRだったので、今日はAR(Augmented Reality. 拡張現実)。ARは「現実世界に人工の情報を追加する技術」のこと。

スマホ画面から抜け出られない!

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「Pokemon Go」で現実の風景の中にモンスターがスマホ画面に映るのもARの一種だ。スマホを夜空に向けると方位と場所を検知して、実際の夜空の画像に星座の名前を表示することもできる。このように現状のARはカメラで撮影した画像に情報を追加してスマホ画面へ表示するのが一般的だ。

この手法も多くの可能性はあるが、ずっとスマホ画面を見ていないとならない。これでは今までのスマホの映像がリアルになっただけで、我々の感覚もスマホアプリを使っているのと大して変わらない。

そこで、肉眼で見ている映像(実際は眼鏡越しだが)に情報を付与する、ドラゴンボールのスカウターみたいな装置の開発が進んでいる。

Microsoftの本気

代表的な製品がMicrosoftの『HoloLens』だ。

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HoloLensは3D画像を現実の画像にオーバーレイできるので、ARの枠を出てMR(Mixed Reality.複合現実)の領域に踏み込んでいる製品ではあるが、現実の映像に情報を付加する構図はARもMRも変わらない。

Microsoftは米国以外でも日本でも開発者版を販売するなど、この分野に本気で取り組んでいる。

製品を見てもわかるとおり、HoloLensはかなり大仰である。これを装着して街を歩くシーンはちょっと想像できない。現にMicrosoftのPRビデオでも室内や研究室の使用ばかりだ。

映像に情報をリアルタイムに付加するだけなら、ここまで大げさな装置は必要ないはずだが、MicrosoftがHoloLens路線を選択したのは、過去の失敗の教訓があるからだ。

 

Google Glassはどこへいった?

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過去の失敗とはGoogle Glassだ。2013年に開発者向けに発売されたGoogle Glassは、眼鏡越しに見える現実に情報を付加して表示するAR端末だった。当初未来のデバイスだともてはやされたが、2015年にGoogleは一般販売を中止し、それ以降目立った発表はない。

HoloLensと比べるとよくわかるが、普通のメガネに近い外観はウェアラブル端末の本命と目され、(少なくても米国では)一般社会にも馴染むと考えられていた。

ところが、相手の知らないうちに隠し撮りができる機能や、なにより見た目が怪しいとアメリカでも敬遠されてしまった(個人的には他人の姿についてアメリカ人がそこまで気にするのは意外だった。オタクとみられるのが嫌だったのか)。

Google Glassの失敗を見て、他人とコミュニケーションする場でのメガネ型端末は成功しないとMicrosoftは判断したのだろう。VR端末と同様に、自宅や端末の使用が前提の限定されたエリアでの使用をMicrosoftはHoloLensで目指していると思われる。

 

目がだめなら、耳がある

目の近くにある機器を人が嫌悪するのは、会話するとき人の目を見るからかもしれない。口ほどにものを言う目に奇妙な機械がついていたら不審がって、腹を割って話しづらい。

他に機械をつけて怪しまれない五感といえば耳だ。最初は気味悪がられたウォークマン時代のイヤホン通話のための片耳ヘッドセットも、最近では認知度が進んできた。目がだめなら耳から音声情報を取り入れたらどうだろう。正面から来る人を内蔵カメラが認識し名前を教えてくれたり、店の前を通りかかったらバーゲンしていると教えてくれたら便利ではないだろうか。

下に突き出ているAirPodsの形状は変だと揶揄されたが、将来カメラを内蔵するためにわざとあんな形にAppleは作ったのかもしれない。イヤホンの形状でマイクを内蔵している製品はあるので、マイクのためだけだったら、突き出た部分は不要だろう。ARに使用するカメラを搭載するために、今からこの形に馴染んでおけとAppleは私たちに囁いている(?)。

 

覚える作業はコンピューターに任せて人は考える作業に自分の能力を使いたい。コンピューターは無尽蔵に記憶できるが、検索語句を入力して記憶を引き出すのは人間の役目だ。ARなら映像やGPS情報をもとに自動で最適な情報を抽出して表示できる。人の能力の拡張のためにARの進化に期待したい。

 

ここにない現実を見せるのがVR

PS VR発売以降、一般でもVRという言葉が浸透し始めた。新しいものが広まるためにキャッチーな製品は必要なので良い流れだと思うが、VRがどういったことなのか曖昧な人もいると思う。ARやMRやさらに新しい言葉もでてきたので、余計に混乱する。ここで整理しておきたい。

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ここにない現実を見せる

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VR(Vurtual Reality. 仮想現実)は、「ここにない現実をあるように見せる」技術である。当たり前のことを言っているようだが、必ずおさえておくべきポイントだ。

VRでは、現実に見えているものはゴーグルで視界を塞ぎ見えなくし、モニタに投影された世界だけを見えるようにする。そこに本当の現実はない。見せるものは、ここにはないが、どこかにあると思われる世界だ。

話は逸れるが、VRを仮想現実と訳したのが混乱のもとだ。「仮想」とは「仮に想定された」という意味で「仮想敵国」のように現実の状況から想定される概念を表す言葉だ。「仮想現実」と言われると、現実には存在しないが何かの意図をもって新たに構築された世界と勘違いしそうになるが、元のVRには全く新しい世界という意味合いは薄い(そういった意味で使用するケースもあるには、ある)。

VRは「人工で作られたもう一つの現実」の意味で「人工現実」と呼んだほうが筆者にはしっくりくる。

よく使われる「高い場所を綱渡りをする」デモ(現実は地面に置かれた棒の上を歩いている)はVRの典型だ。現実に何かを混ぜるのではなく、もうひとつの現実を作る。

VRの前提を理解したところで、VRが使えるビジネスが何か考えてみたい。

 

長年目指していたゲームの到達点

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まずはPS VRで代表されるVRだ。「ここにないものを体験する」のがゲームであり、解像度を高めて、よりリアルな体験をしてもらうためにゲーム業界は技術革新を続けてきた。本当に存在するように見せるVRはゲームのひとつの到達点である。長年ゲーム業界が目指してきたものなのだから、ゲームからVRが一気に広まったのは自然な流れだ。

 

カタログ

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よりリアルなカタログとしてVRは使える。ここにない土地をバーチャルで旅行したり、まだ建っていないマイホームを見学して仕様を確認したり、今までパンフレットや動画から想像しなければいけなかったことが、もっと皮膚感覚で理解してから購入できるようになる。売り手と買い手の認識も揃い、購入後のトラブルも減るに違いない。

 

トレーニング

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手術や危険な場所での作業など、実際に体験するのが難しいジャンルでの訓練にもVRは有効である。何度失敗しても問題はないし、様々な種類のトレーニング環境を用意するのも容易だ。部屋の中でトレーニングができるので、トレーニングを受ける人の動作を録画して見返すのも容易なので、トレーニング後に適切な改善箇所を指摘しやすい。

 

基本をおさえて、広がるアイディア

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「ここにない現実を体験できる」という前提をきちんと踏まえれば、VRを使って他にも様々なアイディアが今後でてくるに違いない。何がビジネスに生かせるか、考えてみると面白い。

 

Apple TVが映すAppleのジレンマ

Apple TVは、初代の発売から今年で10年目を迎える息の長い製品だ。初代はHDDを内蔵し、iTunesのビデオや音楽コンテンツを格納する機器だったが、用途が限られていて、ビジネス的に成功しなかった。それ以降もアップデートは続き、現役機種は4代目になるが、未だに爆発的にヒットとまで至っていない。

それでもAppleは諦めておらず、AmazonからFire TVの責任者をヘッドハンティングして事業を促進しようとしている。

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Apple TVの売上が伸びない原因からは、今のAppleが抱えるジレンマが透けて見える。

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ローカルか? グローバルか?

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Appleはグローバル共通の製品開発を好む。周波数や法律が各国で異なる中、iPhoneでもグローバル単一モデルでの販売を目指していた。

Apple TVがターゲットしている放送業界は通信業界以上に、国によって環境が異なる。というよりAppleの母国であるアメリカの環境が進みすぎていて、放送事情が他国と大きく異なっている。

国土が広く多様な人種を抱えるアメリカでは、地上波が送信できる限られた番組では全国民を満足させることができず、ケーブルテレビが発達していた。ケーブルテレビは有料なので番組にお金を払うことに日本人ほどアメリカ人は違和感がなく、1番組ごと買い切るPPV(Pay Per View)も一般的になった。資金が流れてこないからか、無料で提供されるアメリカの地上波の質は酷い。

最近では、そのケーブルテレビを解約する人が増えている。HuluやNetflixなどの動画配信サービスの隆盛が背景にある。最新のテレビにはNetfilixボタンがつき、ネットがあれば地上波のアンテナがなくてもテレビだけで多くのコンテンツを視聴できる。

eiga.com

二代目以降のApple  TVのターゲットはネットでコンテンツを観たいユーザーだ。動画配信サービス未対応のテレビでもApple TVがあればNetflixを視聴できる。iTunesで映画などのコンテンツもレンタルまたは購入できる。

日本をはじめ多くの国では、アメリカほどケーブルテレビが発達しておらず、地上波や衛星放送を視聴するのが一般的だ。例外は韓国でアメリカと同様ケーブルテレビの加入率が70%近いが、他国の加入率は20%以下だ。

動画配信サービスが伸びてきたとはいえ、地上波を全く観ない日本人は少ない。両方のコンテンツを観たい場合、Apple TVとテレビ本体の両方を扱わなければならず操作が煩雑になる。

昨年末にリリースされたApple TV向けアプリ「TV」はアメリカ専用だ。Apple TV上で動画配信サービスやiTunesのコンテンツを一括管理し、多くのコンテンツへスムーズにアクセスできるようにするアプリだ。こういった対応ができるのはコンテンツ管理がApple TVだけで完結するからで、地上波や衛星放送などチューナー経由のコンテンツが主体な日本では難しい。

iPhone 7でお財布ケータイといった日本独自の機能を組み込んだモデルを開発したように、Apple TVでも例えば三波チューナーを内蔵したローカル向けモデルが発売される日が来るのだろうか?

万能の利器であるが故の悩み

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4代目Apple TVは、音声コマンドへの対応、リモコンのタッチインターフェイス、アプリの搭載が売りだ。だが、これらは全てiPhoneでもできる。音声コマンドはiPhone搭載のSiriの方が優秀だし、tvアプリよりiPhone向けアプリのほうが質量ともに充実している。Apple TVの用途で最も多いコンテンツの視聴も、もちろんiPhoneでもできる。

唯一iPhoneにできないのは大画面テレビへの投影だが、液晶サイズが拡大したiPhoneでの視聴でも満足できる人も多いし、コンテンツの投影だけならApple TVのような大仰な装置ではなくChromecastのようなUSB給電で稼働する簡易な装置でも構わない。

スマホをもってない人には、これだけで完結するApple TVは便利だと思うが、iPhoneを持っていないApple TVユーザーはどれぐらいいるのだろう?

 

Appleの岐路

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Appleが全世界でシェアを拡大するためにローカルへの対応が必要だが、国の事情に合わせたモデルを開発すれば、開発費用が増大してしまう。

iPhoneのようにビジネス規模が大きければ、その費用も回収できるが、Apple TVの売れ行きは芳しくないし、”文明の利器”iPhoneにおされて、Apple TVだけしかカバーできない範囲は狭い。

十年前であれば、リビングの中心に君臨するテレビに自社製品を接続してもらう意味は大きかったが、タブレットやスマートフォンが増え複数の液晶モニターが家庭に存在する今はテレビの相対的価値は下がっている。

今のようなリッチなApple TVではなく、テレビへコンテンツを転送するだけのタイニーApple TVを発売した方が賢明だと思うが、どうだろう。

 

Fire TV Stick

Fire TV Stick

 

 

Uberは問題解決の美しき例

東京都内のタクシーが価格改定で、初乗り410円になった。近距離客を増やすのが目的だが、中にはUber(ウーバ)対策という報道もあった。

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Uberはアメリカ発の配車サービスだ。既存のタクシーと異なり、Uberでは一般の人が自家用車を利用して客を運送できる。

初乗りの値段を下げて、今までタクシーを敬遠していた利用者を増やし、タクシーを利用する習慣をつけてもらい売上を増大させるのが今回の価格改定の目的だ。

値下げを決断した背景にはUberに代表されるシェアリングエコノミーのプレッシャーがある。日本では「白タク」規制が厳しく、Uber本来の一般人による配車サービスは今のところ行えていないが、東京オリンピックを前に規制緩和のプレッシャーは強くなる一方だ。規制緩和の前に顧客を囲い込みたい焦りを値下げから感じる。

ただ、値下げしてもUberには対抗できない。タクシーと比較してUberはそれほど安くない。Uberが優れているのは、タクシーが利用者が抱く不満を分析して、解決策を提示している点だ。

 

”店”を選べない

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店舗販売などの業種と比べてタクシーは変わったビジネスモデルだ。タクシーを利用するときに、多くの人はタクシー会社を気にしない。選びたくてもタクシー乗り場に他の客が並んでいれば順番に来たタクシーに乗らざるを得ない(チケットでの利用や法人契約しているタクシーもあるが、ここではUberのターゲットである個人利用に限定して話す)。

牛丼を食べたくて入店したら、吉野家かすき家かどちらかの牛丼がランダムで出てきたら驚くだろう。タクシーではこういうケースが起きるのだ。利用客が選べないのだから、タクシー会社だけではなくサービスを提供するドライバーも利用するたびに異なる。

毎回客が違えば、サービスを向上させるモチベーションも湧きづらい(世界の中では日本のタクシーは品質が高いが)。頑張っても自社の利用客の増加に結びつきにくいし、個人タクシーであれば、ほぼ皆無だ。

一方、Uberではドライバーを利用客が評価することができる。高評価のドライバーは客から優先的に選ばれるし、逆に低評価が続けば商売ができなくなる。高いサービスを提供し、効率的な道順を覚えれば、自分の売上に繋がる。

密室空間

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タクシーの中はドライバーと利用者の密室空間だ。客が一人ならドライバーと二人きりになる。客側は身分を明かしていないので運転手は誰を乗せているのかわからない。他の業種ではあまりない状況だ。宅配サービスであれば客側は個人情報を店側に渡しているし、店舗であれば他の従業員がいる。

タクシー強盗は、こういったタクシーならではの特殊な状況だから発生する犯罪だ。

Uberでは個人情報をUberが管理しているので密室での犯罪を防げる。ドライバー側も客を評価できるので、態度が悪く評判が良くない客をドライバーが拒否できる。タクシーで起きるリスクを事前に回避できるのだ。

支払額が不明

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店で商品を買うときも、サービスを受けるときも支払額が予めわかっているのが普通だ。店でマッサージを受けるとき60分3,000円など価格を知ってからサービスを受ける。

タクシーは違う。行き先へ到着するまで支払額がわからない。ドライバーの経験則で質問はできるが交通事情により支払額は変動する。渋滞に遭遇すると、いくらかかるかドキドキしながら利用客は席に座っていることになる。

Uberは基本的に事前支払いだ。予約前から金額が判明している。

事前予約

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Uberは配車を事前予約するのが一般的な使い方だ。近くを走る空車をスマホで簡単に検索できるので、手間がかからない。一般のタクシーは大都市なら流しのタクシーを掴められるが、地方や夜間の繁忙期だと容易に捕まらない。タクシーを見つけて手を挙げたのに実車だった体験した人も多いだろう。Uberが発達した都市なら時間と場所を指定して簡単に予約できるので、タクシーを探して途方に暮れる苦労はなくなる。

最近では日本のタクシー会社も配車予約ができるアプリをリリースしているが、Uberより使い勝手が悪い会社も多いし、ドライバーと車種を選ぶことができない。

美しき解決法

見てきたように、既存ビジネスの問題点を改善するためにITインフラの力を借りて見事な解決方法を提示したのがUberだ。シェアリングエコノミー、新しいWebサービスという切り口にとどまらず、Uberが行ったことはiPhoneと同じく既存ビジネスの破壊的改善だ。

破壊される方からしたらとんでもないことなので、日本だけではなく全世界で既存ビジネスと衝突しているが、サービスを選ぶ権利は客にある。我々が声を上げれば日本でもUberが今後一般化するだろう。